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» 2004年06月18日 01時35分 公開

SAPPHIRE '04開幕、顧客やパートナーらと共に革新を継続するSAP

6月17日夕方、この日都内で開幕した「SAP SAPPHIRE '04」ではメインホールで基調講演が始まり、カガーマン会長兼CEOが登場した。同氏は、「SAP NetWeaver」をその中核的な構成要素とする「Enterprise Service Architecture」こそが、顧客企業やSAPが直面する課題を解決するものだと話した。

[浅井英二,ITmedia]

 コストを削減しつつ、次なる成長に向けたビジネスのイノベーションを実現する──この2つの命題こそ、今、企業のCIOらが直面しているジレンマだ。そして、同時にそれは、既存資産への投資を保護しつつ、革新的な技術の提供を求められているSAP自身のジレンマでもある。

 6月17日夕方、この日都内で開幕した「SAP SAPPHIRE '04」カンファレンスではメインホールで基調講演が始まり、ヘニング・カガーマン会長兼CEOが登場した。カガーマン氏は、「SAP NetWeaver」をその中核的な構成要素とする「Enterprise Service Architecture」こそが、顧客企業やSAPのジレンマを解決するものだと話す。

「企業の成長戦略をサポートすることがSAPの役割」とカガーマン氏

 Enterprise Services Architectureは、4つのレイヤからなる。ビジネスプロセスを定義し、業界特有のソリューションマップを作成するレイヤ、それを実行するビジネスアプリケーション、インテグレーションとアプリケーションのためのプラットフォームと続き、そしてオンデマンドのITサービスを提供できるコンピューティングインフラがそれらを支える。

 「Webサービスを単なる技術からエンタープライズのレベルに引き上げたものだ」とカガーマン氏はEnterprise Services Architectureを説明する。

 単なる技術であれば、顧客の注文をキャンセルするのは、受注データベースを削除するだけのことかもしれないが、実際のビジネスとなるとそうはいかない。在庫がなかった場合は、工場へ製造の指示が飛んでいるかもしれないからだ。

 これまでSAPでは、理想のビジネスプロセスをテンプレート化し、実績のある「ベストプラクティス」として、機能別にERPやCRMを企業に導入してきた。それらに今後は、Enterprise Services Architectureの下で顧客やパートナーらと作り上げていく革新的なシナリオ、「ネクストプラクティス」が「xApps」として加わる。

 既にSAP R/3の後継であるmySAP ERPを皮切りに同社のアプリケーション群は、NetWeaverによって新しいエンジンとして生まれ変わっている。企業や組織の壁を越えた革新的なシナリオもそれらを組み合わせることで実現できるようになる。

既存のインフラ上に革新

 カガーマン氏は、クリネックスティシューで知られる家庭用品メーカー、米Kimberly-Clarkと共同で作り上げたネクストプラクティスであるxAppsを紹介した。「xPD」(プロダクト定義)と「xRPM」(リソース&プログラム管理)がそれで、新製品開発に革新をもたらしているという。

 また、歯磨き製品の米Colgateも小売り大手の米Targetと共同プランニング、予測、補充というシナリオに革新をもたらすべく、ERP、CRM、SCMという各種のコンポーネントを組み合わせているという。ここで注目すべきは、TargetがSAP以外のERPやSCMを使っていても統合されている点だろう。インテグレーション機能も統合されているNetWeaverであれば、SAPと他社のシステムを統合したり、パッケージアプリケーションと既存のカスタムアプリケーションも統合できるわけだ。

 「SAPが提供するのはテクノロジープラットフォームではなく、ビジネスプラットフォームだ」とカガーマン氏。彼によれば、およそ80%のビジネスは共通化できるという。請求書を発行する業務をシェアードサービス化し、効率化を図ることも支援できるし、非戦略的な業務であればアウトソーシングすることもできる。

 「革新を継続していくには適切なアーキテクチャが不可欠だ」とカガーマン氏。

 2004年はコラボレーションを中心に18のシナリオに対応したxAppsが登場するほか、さらに30〜40の追加も計画されている。2007年にはmySAP Business SuiteをすべてEnterprise Services Architectureに移行させるロードマップも明らかにしている。

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