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» 2004年06月29日 22時33分 公開

JavaOne:BorlandもJavaツールグループに参加へ

サンフランシスコで開催中のJavaOneでは、Sun以外にもBorland、Compuware、BEA、IBM、Nokiaといった主要なプレイヤーが新たな発表を行う。

[IDG Japan]
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 サンフランシスコで開催中の「JavaOne」カンファレンスは、あたかも業界の仮想「紳士録」の様相を呈しており、BEA Systems、Borland Software、IBMといった企業がJavaプログラミング言語の推進に向けた発表を行う。

 今回のショウで注目されるのは、BorlandのJTC(Java Tools Community)への参加表明、そしてCompuwareとBEAによるオープンソースツールプロジェクト「Eclipse」への支持表明である。

 IBMは、SOA(サービス指向アーキテクチャ)を構築するための新しい開発者用リソースを発表する。一方、数社のサードパーティー企業が、「java.com」サイトの「JavaServer Faces」コンポーネントマーケットプレイスに参加する予定。

 Borlandのパット・カーパンCTOによると、同社はコアメンバーとしてJTCに正式に参加する予定だという。JTCは今年の1月、Javaツールの相互運用性を提供することを目的として、Sun MicrosystemsやBEAなどの企業によって創設された。

 「BorlandはJTCに参加するに当たり、Javaツールのデザイン面での相互運用性ならびに導入時間の短縮に注力する」とカーパン氏は述べた。

 JTCの設立当初にBorlandは参加を検討したが、JTCとJava Community Process(JCP)の関係について疑問を抱いたという。JCPは、Javaに対する修正を提案するための公式手続き。Borlandにとって気がかりだったのは、JTCがJCPと競合することにならないかという点だった。「われわれから見れば、JCPとの関係が不明瞭なように思えた」とカーパン氏は話す。しかし今では、両プログラムが競合関係にないことがはっきりしたという。

 Compuwareは、分析、設計、テスト用の「OptimalJ 3.2」ツールを披露する。バージョン3.2の目玉となるのは、OptimalJを「Eclipse」IDE(統合開発環境)に統合するためのプラグインである。また、UML(Unified Modeling Language)モデルも追加され、アプリケーションの流れをモデル化するためのシーケンス図およびデータの出現状況の変化を表現するための状態図に対応する。

 OptimalJの「Developer Edition」には、「JetBrains IntelliJ」IDEが付属する。CompuwareのOptimalJ担当プロダクトマネジャー、マイク・サウィッキー氏は、「IntelliJは本格機能を備えたIDEとして市場に広く受け入れられた」と話す。EclipseプロジェクトのメンバーでもあるCompuwareは従来、「NetBeans」IDEに頼っていたが、現在はEclipseとIntelliJへの対応を進めている。

 バージョン3.2では、アプリケーションの挙動モデリング機能や、コラボレーションを容易にするモデル融合機能なども追加された。OptimalJは7月13日に出荷され、「Developer Edition Powered by IntelliJ」のライセンス価格は1ユーザーに付き1900ドル。「Professional Edition」および「Architecture Edition」のライセンス価格は、それぞれ1ユーザーに付き5000ドルと1万ドル。

 BEAもEclipseに接近する姿勢を見せている。ただし、同社はメンバー企業ではなく、同プロジェクトに参加する予定はないとしている。BEAはEclipseおよびInstantiationsと共に、「Pollinate」というオープンソース促進プロジェクトを発表する。Eclipseをベースとした開発環境とツールセットを構築し、「Apache Beehive」と連携するのがプロジェクトの狙い。Beehiveは、BEAの「WebLogic Workshop」をベースとしたオープンソースアプリケーションフレームワーク。

 BEAによると、Instantiationsは、Beehiveと連携するためのEclipseプラグインセットを開発するという。BEAで開発者向けマーケティングを担当するディレクターのデーブ・コッター氏によると、Eclipseを利用する開発者は、BEAのコントロール技術を利用することができる。この技術は軽量なサーバサイドコンポーネントモデルを提供するもので、これによりアプリケーションをデータベース、Webサービス、「Java Message Service」メッセージキューに接続することが可能になるという。

 しかしBEAがEclipseに参加する見込みはなさそうだ。「BEAはEclipseに参加する準備ができていない。現時点では参加する意味がない」とコッター氏は話す。BEAのWebLogic WorkshopはEclipseのライバルでもある。

 Sun Microsystemsは、JavaServer Facesコンポーネント技術をベースとする「Sun Java Studio Creator」を新たにリリースしたのに伴い、java.comサイトで提供される「JavaServer Faces Component Catalog」をJavaOneで発表する(別記事参照)。Sunによると、このカタログは、互換性のあるサードパーティー製コンポーネントへのアクセスを開発者に提供することによって開発期間を短縮するのが狙い。現時点での参加企業は、Ilog、Otrix、Software FXなど。今後参加を予定しているのは、Environmental Systems Research InstituteやQuest Softwareなどの企業。各社のコンポーネントは、図表作成やGIS(地理情報システム)インフラといった特定機能を提供する。

 IBMでは、「オンデマンド」リソースを開発者向けに拡張し、SOAに関する研修用リソースを公開する。これらの資料は、IBMの「developerWorks」サイトのWebサービス「Zone」で利用可能になる。

 さらにIBMは、標準ベースのプラットフォームで開発を行う開発者が同Webサイトを利用した場合、ハードウェアに対して10%の追加割引を受けることができるほか、IBM Career Indexにアクセスして求人情報を検索できると発表する。割引サービスは書籍にも適用されるという。

 またBorlandは、開発中の「Optimizeit ServerTrace 3」ツールをJavaOneで紹介する。このツールは、J2EEプラットフォームおよびSOAのパフォーマンス最適化と管理を行う。BorlandのALM(アプリケーションライフサイクル管理)ポートフォリオのパフォーマンステスト用コンポーネントとしての役割を果たし、ALMプラットフォームの管理用コンポーネント「StarTeam」と連携して問題を追跡することができる。出荷は8月の予定。

 バージョン3では、同製品の「Test Edition」機能を使って、配備前のテストでパフォーマンスのボトルネックを素早く特定できるようになった。「Mercury LoadRunner」や「Segue SilkPerformer」といったサードパーティーのテストツールと連携することも可能。

 Borlandによると、バージョン3ではSOA内でWebサービスアプリケーションの呼び出しを追跡することにより、応答時間を最適化するとともに、アプリケーションの可用性を維持するという。ServerTrace 3の「Production Edition」の休眠モードは、アプリケーションの問題が発生した瞬間のパフォーマンス診断を取り込む機能を提供する。

 JavaOneでは以下の発表も注目される。

―― Nokiaは、「Nokia Developer's Suite for J2ME」のバージョン2.2および「Nokia Mobile Server Services」SDK(ソフトウェア開発キット)でEclipseをサポートする。また、MIDP(Mobile Information Device Profile)に準拠した任意のNokiaプラットフォームSDKをEclipse環境に統合することも可能だという(別記事参照)。

―― JetBrainsは、「IntelliJ Idea 4.5」および「JetBrains Fabrique」を発表する。IntelliJ Idea 4.5は同社のJava IDEのアップグレード版で、コード検査機能が強化された。JetBrains Fabriqueは、ツール、ライブラリ、再利用可能なコンポーネントを利用してJ2EEの開発を迅速化するRAD(Rapid Application Development)環境で、「Visual Fabrique」IDEを装備する。

―― Parasoftは、JUnitテストを実行するユニットテスト/コーディング標準分析用製品の「Jtest 5.1」を披露する。コーディング問題の修正を支援する機能などが主な改善点。レポート生成機能では、プロジェクトの状況を評価する機能が高速化されるとともに使いやすくなったという。

―― Ilogは、コラボレーションを強化するリッチクライアントの短期開発を可能にする「Ilog JViews 6.0」製品シリーズを発表する。ビジネスプロセス管理機能のサポートなどが特徴。スイートに含まれる「JViews Diagrammer」や「JViews Charts」などのツールは、初めて単体製品としても販売される。

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