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» 2004年07月02日 00時27分 公開

ERPで構築したデータをBIでビジネス価値に変換する--CognosのマンリーCFOInterview

CognosでCFO(Chief Financial Officer)を務めるトム・マンリー氏にBI市場の行方と同社の今後の方向性について聞いた。

[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 Cognosは、年次ユーザーカンファレンス「Cognos Forum 2004」を米フロリダ州オーランドで開催した。企業がビジネスを戦略的に管理し、データを閉じたサイクルの中で活用していくコンセプトが、ガートナーのCPM(Corporate Performance Management)を中心としたパフォーマンス・マネジメントの波として広がろうとしている。

 これを実現するための直接的なツールとして認識されているのがビジネス・インテリジェンス(BI)だ。BI市場で世界最大手となるCognosでCFO(Chief Financial Officer)を務めるトム・マンリー氏に、同社の今後の方向性について聞いた。

「ERPで整備したデータをBIで活用することが基本」とトム・マンリーCFO

ITmedia Cognos Forum全体を見渡して注目するべきポイントはどこですか?

マンリー 顧客が現在のCognosをどう見ているかが分かったことがまずCognosとして有益でした。また、われわれの製品はすべてパフォーマンス・マネジメントのコンセプトに向かって設計されており、顧客企業の多くが同様にパフォーマンス・マネジメントに興味を持っていることも分かりました。

ITmedia Cognosの最近のビジネスの動向について教えてください。

マンリー 財務と顧客の2つの側面からお話します。

 まず、財務的な視点では、第一四半期は、対前年比15%増の1億7300万ドル(日本円でおよそ180億円)の売り上げを達成しました。また、キャッシュは4億1600万ドルに上り、バランスシートの状態も向上しました。

 対顧客という意味では、ReportNetのリリースが新しいモメンタムを作ろうとしています。ReportNetにより、顧客企業がBIプラットフォームにおける標準化を考える上での創造力を与えることになりました。ユーザー企業に新たな価値を提供し、より顧客のビジネスを成功に導くことができるポテンシャルが生まれたと考えており、Cognosにとっては新たな時代を迎えていると言っていいでしょう。

ITmedia 特に重視する業種などはありますか?

マンリー Cognosとしては、特に業種の特定などは行っていません。大企業の方が製品のメリットを享受できると考えますが、中堅市場も同様に力を入れていきます。

 というのは、データを持つ組織ならば、政府系、事業会社、教育関係といった括りに関わらず、どこでも、Cognos製品を活用できるからです。データを活用すれば、テコの要領でビジネスを向上させることができるのです。

Cognos社内のBIは?

ITmedia Cognos自身は、自社でどのようにCognos製品を活用しているでしょうか?

マンリー 多くのアナリストも同じように「CognosはCognosをどう使っているのか?」と質問します。われわれは自社のシステムを、パフォーマンス・マネジメントを企業が実践する上でのベータサイトであると認識しています。

 実際に、Cognosでは、日々ビジネスを管理し、改善しています。過去18カ月について、顧客に対するのと同様の視点から自身の戦略を評価し、優先順位をつけながらBIインフラを導入しています。そして、全社戦略に沿ってBIを活用しながら、スコアカードを生成しています。スコアカードによって、ビジネスをモニタリングし、以後のビジネスに向けたプランニングに生かしています。つまり、顧客の組織をコーディネートし、パフォーマンスの向上を促すというわれわれの長い旅を、自社でも実践しているのです。

 実際、朝私が出社すると、ReportNetが6〜7のレポートを上げています。私はそれを見るだけで、過去24時間に何が起こったのかを把握することができるのです。

ITmedia 日本でもReportNetがリリースされ、売れ行きも好調と聞いています。日本市場についてはどう考えますか?

マンリー 日本はCognosにとって戦略市場と位置づけられています。Cognosの製品自体が世界的に見ても、ようやく価値を認められてきているものと言えます。日本は、世界で最も大きな経済力を持つ国の1つであることが、重視する理由の1つです。

 そのため、富士通などの大企業ともパートナー関係を築いています。私自身も秋に日本を訪れ、顧客イベントに参加します。

ITmedia 中国市場はどうでしょう?

マンリー 中国は取り組みを始めたばかりで、Cognosにとってはまだ市場は小さいですが、戦略的に重要であると認識しています。経済成長の早さを支える上で、データを活用する必要があるからです。

ITmedia 競合企業について、SAPはERPをコアにあらゆる製品を提供するベンダーであるのに対し、CognosはBIを基本とするいわゆるベストオブブリードと呼ばれています。今後、他社との差別化をどう図っていくでしょうか?

マンリー ReportNetは、Webサービスを活用し、SOA(Service Oriented Archtecture)をベースにした最初の製品です。われわれは、Cognos製品を買ってもらって成長するプロセスを、顧客の犠牲の上で行いたくはありません。あくまでも、顧客企業の成功がCognosの成功につながる形を望んでいるのです。SOAを採用することにより、異種プラットフォームとの統合性にも優れています。これは、ERPを稼動させている顧客も、Cognos製品を利用できることを示しています。これを成長の機会として期待しています。

ITmedia 日本の大企業市場では現在、特にSAPの導入率が高いと言われていますが、この市場のシェアを高めるためにはどのような戦略が考えられますか?

マンリー ERPベンダーが提供するのは、トランザクションとしての業務を効率化するアプリケーションです。Cognosは、SAPが既に築いたデータの価値を、さらに拡張する性質のものです。つまり、現状のデータから、意思決定を促し、企業としてのパフォーマンスを上げることを意図しているのです。そういう意味で、顧客満足の点では、SAPとは直接競合しません。SAPもさまざまな機能を提供していますが、Cognosは既にさまざまな製品を展開しており、製品力ではずっと先を行っています。



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