「比較的情報パターン化しづらい人間の動きは、IDタグと映像データ連携により情報化が可能となる」と日立製作所ユビキタスプラットフォームグループ、ソリューション統括本部の鈴木 仁氏。
情報通信の事業コンセプト「uVALUE」で、ユビキタス情報社会における価値創造をテーマとした「HITACHI-ITコンベンション 2004」。本カンファレンス&セミナーでは、「情報管理」がOAの域を超えて日常生活に欠かせないライフラインとなる時、企業はどのように関わればよいのか。日立の構想や事例が展示ブースや講演で示された。
開催2日目の23日には、RFIDと映像情報の連携がユビキタス実現に欠かせないもの、と日立製作所ユビキタスプラットフォームグループ、ソリューション統括本部 ソリューションビジネス本部 部長の鈴木 仁氏から「拡大する映像・モニタリングの活用」と題する講演が行われた。
鈴木氏は、「オフィスのIT化は進んでいる。しかし、街頭や店舗などの場は、企業のソリューションビジネスのチャンスがあると分かっていても、データ化を行うには難しい面がある」と語る。オフィスではIT情報をコントロールするPCを配置しやすい。しかし、街頭や店舗などはデータ収集するための機器を配置しづらいのが理由だという。
「入出力情報が単純ではない。例えばコンビニでは、来客が動き回り、情報化するためにはPCを店舗内に置くこともできず、店員がキーボード入力などというのも現実的ではない」と鈴木氏。このような背景からも、来客データをデータ化するためには、映像データが入り込むのが自然だという。
事例によっては音声データも関連する可能性もあり、データ量は膨大になる。しかし、「デジタル化への革新は止まることはなかった。これまでIT化のネックとしてきたものは解消されつつある」と語る。また、「インフラとしてもブロードバンドが利用できるため、トータルのソリューションとして考えればよくなった」と鈴木氏。
日立のユビキタスソリューションの特徴は、メーカー視点から顧客の視点へがテーマであり、機能性よりも導入効果、そしてブランド価値をクローズアップしていくことだという。例えば、店頭に販促効果を狙い大型なプラズマディスプレイを設置しても、顧客からの魅力が見えなければ意味がない、顧客との対話があってこそ最終的な価値へと結びつくと語る。
「その価値は何だろうか?」と鈴木氏。
顧客の利益を見極める必要があり、Save Moneyで顧客のコストが下がる、Make Moneyで顧客の収入が上がると鈴木氏は大別する。RFIDと映像データの関わりには、3つの柱があると言い「映像配信」、「映像モニタリング」、「コミュニケーション」だと鈴木氏。常にSaveかMakeかどちらの側面であるかを見つめ、提案していかなければならないという。また、日立では、情報システムとの接続ノウハウ、Loss/TCO削減による統合化ノウハウを持っていることが強みだと強調した。
そして、3つの柱に対する事例が示された。
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