情報を効率的な管理を実現しようとストレージ業界の動きが盛んだ。データマネジメントの複雑化、政府からの規制と、企業は多くの対応を迫られているからだ。ストレージを知り尽くすStorageTekのマーティンCEOに聞いた。
データマネジメントの複雑化、政府からの規制――と情報の管理に関わる環境は大きな変化にさらされ、企業はこれらへの対応をいやおうなしに迫られている。それに伴い、情報を効率的な管理を実現しようとストレージ業界の動きが盛んだ。
米StorageTekは、35年の歴史を持ち、IT業界で最もストレージのエキスパートであると話すのはパット・マーティンCEO。同社の年次カンファレンス「FORUM 2004」で、考えを聞いた。
――時代の流れからもストレージの必要性が大きくなっています。StorageTekはどのよう役目を果たせますか?
マーティン ストレージは年々15〜17%増加していると見ています。特に情報の重要度が増しています。政府からの規制によって、長期保存の必要性もますます高まってきました。そこで、私たちのようなベンダーには、ストレージを管理しやすくしていくことを顧客から問われていると思います。StorageTekでは、管理の簡素化、コストの削減、効率的なインフラで信頼性の高い環境を構築するのを助けられる時だと考えています。
――そのためには、サービスの提供も非常に重要ですね。
マーティン 顧客の問題を解決するためには、装置を売りっぱなしてもダメです。ストレージ環境はどんどん複雑になってきており、顧客はベンダーから技術的なプロフェッショナルサービスを必要としています。StorageTekでは、プロフェッショナルサービスに多く投資をしており、顧客の利益を第一に考えるリーディングエッジになることを期待しています。
サービスは昨年11%成長し、今年は6から7%伸びています。私たちのビジネスにとって、とても重要な要素です。
――StorageTekはデータ管理のILMを呪文のように唱えています。しかし、IT業界は問題を理解できても、企業は理解できるのでしょうか? どうプロモーションするのでしょうか?
マーティン 企業のデータ管理への投資割合は、ハードウェアが1であれば、ソフトウェア・サービスに2〜4を費やしています。1999年から2000年には企業は成長し、多くの投資も行いました。しかし今は違います。少ない予算でより多くを実現しなければなりません。日本も米国もヨーロッパも、CIOたちはデータ管理を以前よりも少ないコストと労力で効率的に行っていくことに挑戦しています。
また、サーベンスオクスレイ法など政府の規制要求に迅速に対応しなければなりません。CIOは同時にこれらへの対応にもチャレンジしています。
しかし、みな増え続けるデータを管理する方法を知らないのです。ILMのデータ管理手法を選ぶ以外に、オプションのない状態に世の中の時流がさせています。
――例えば、ライバルのIBMやEMCは上から下まですべてを提供していますが、StorageTekはベストオブブリードですね。
マーティン 私たちは35周年を迎えました。業界で最もストレージについての知識を持っていると自負します。IBMは偉大な企業です。しかし、IBM以上にストレージのことを理解していると信じています。しかもハードウェアでなく、顧客の立場から物事を考えています。こういった意味でもサービスに力を入れているわけです。
私たちはストレージインフラを最適化するどんなアプリケーションにも対応します。Documentumにもです。ストレージはアプリケーションの後ろで最適化する必要があることを知っているからです。EMCはDocumentumのソフトウェアスイートを手に入れました。今後もEMCショックは続くでしょうが、私たちはより多くの顧客の環境をコントロールするために、対応をさらに広げてく考えです。
ただ、IGS(IBMグローバルサービス)は非常に憂慮しています。IGSは「我々に管理を任せてください」と言って、すべてのテクノロジーの決定権を顧客から奪ってしまいます。すると関連機器をはじめ、すべての決定権をIBMに握られてしまうのです。
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