見えないリスクに備える、高まり見せるフォレンジック製品(2/2 ページ)

» 2004年11月12日 14時02分 公開
[ITmedia]
前のページへ 1|2       

シンプルで導入しやすいフォレンジック製品「メールタンク」

 むしろ、この点に注力して開発されているのが、メールタンクだという。そのため、経営者でも簡単に利用できる使いやすさを重視して開発を進めた。ブリッジ接続できるアプライアンスとして提供し、通過する電子メールパケットをすべて補足・保管できる。「Outlook Express」などの標準的なメールクライアントから、IMAP経由でアクセスして、保管したメール/添付ファイルのすべてを閲覧することが可能だ。

 「普通のメールクライアントが操作できれば、十分。企業のポリシーにもよるが、利用が難しくて保管したメールをまったく検査しないようでは意味がない」(藤田氏)

 競合する製品にはメールパケットだけでなく、HTTPやFTPなど多種類のパケットを補足・復元できる機能を持つものもあるが、電子メールに特化させたことで、競合製品の2分の1から3分の1の価格、80万円程度に抑えることも可能になったという。

 また、メールが主な情報の流出経路となっているだけでなく、メールのやり取りを抑えておけば、悪事をたくらんでいる傾向が読み取れるからといった理由もある。

 ただ、注意しなければならないのは、これで電子メール経由の情報漏えいを防ぐというものではないことだ。「送信される疑わしいメールをフィルタする製品ではない。むしろ、ネットワークの防犯カメラ。フィルタの誤認識によって、本来送らなければならないメールが送れなければ、どんなに優れたセキュリティ製品であっても利用しなくなってしまう。それでは本末転倒だ」と、藤田氏は力を込める。

 もちろんメールを監視していることを従業員に伝えることで、抑止効果を得ることはできるだろう。「予防だけでなく、有事にいかに速く対応をとれるか、事故は前提として備えることが重要じゃないだろうか」(藤田氏)。

高まるメール保全のニーズ

 同社取締役の倭文知騎氏によれば、このような形でメールを保管したいニーズは高まりを見せている。海外を見ても、メールの保管は時代の趨勢となりだした。あらゆる分野で、法規制によって保管が義務付けられ始めている。

 「日本でもそうだ。当たり前のように、会社でやり取りされる電子メールは保存されるようになる。メールタンクのような製品は、必ず必要になる製品だろう」(倭文氏)。

 しかし、メールを保管したいと考えている企業のうち、実際に行えているところはまだ30%に満たない。

 「ニーズにあった製品が市場にないからだろう」と倭文氏。「価格に関してもそうだし、むしろシンプルなフォレンジック製品を求めていると感じる。その点、メールタンクは強く訴求できるはずだ」(藤田氏)。

 コネクタスではさらにニーズを取り入れ、機能強化を続けていく方針だ。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ