日本SGI、KDDIと共同でモバイル映像配信ソリューションを提供

日本SGIは、KDDIと協力して日本で初めて動画・音声を視聴中に携帯電話機から遠隔操作を可能とするサービスを2005年1月下旬から提供すると発表した。

» 2004年12月13日 16時58分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 日本SGIは12月13日、KDDIの「CDMA 1X WIN」対応の携帯電話を利用した「KDDIモバイル映像配信ソリューション」の提供において協力し、日本で初めて動画・音声を視聴中に携帯端末から遠隔操作を可能とするサービスを2005年1月下旬から提供すると発表した。

 日本SGIが2004年6月に発表した「ViewRanger」は、監視カメラの機能を中心に豊富な機能を備えるNetBSDベースのマイクロサーバ。独自の作り込みが可能で、データ配信などでユーザーニーズに合わせた仕様に対応可能な製品。従来のViewRangerは、携帯端末へ動画や音声を配信できなかった。

 KDDIは、「CDMA 1X WIN」の持つ映像やマルティメディア再生機能を活用し、携帯端末だけでインターネットに接続されたネットワークカメラの映像や動画などのコンテンツを通信料金定額で利用可能な「映像配信ソリューション」を推進している。このソリューションとViewRangerを組み合わせることで、ViewRangerに接続されたネットワークカメラの映像および音声をCDMA 1X WIN端末に配信するとともに、視聴中に携帯端末を操作することで、カメラの遠隔操作を可能とするもの。カメラの操作については、カメラの向きを変えることのほか、ズームなどが可能。

今回の発表の提供イメージ(クリックで拡大します)

 今回の発表は、KDDIの運営する「au動画配信ホスティングサーバ」を介することで、企業側で新たにサーバを設置することなく携帯端末からカメラを設置した遠隔地の動画と音声を複数のユーザーが同時に視聴・操作可能とするもので、本格的なモバイル監視を極めてシンプルな設備構成で実現可能にしたものだといえる。

 まだ広く実用化されていないRFIDがユビキタスの代名詞になっている中、同社は具体的に提供可能なソリューションとして「ブロードバンド・ユビキタスソリューション」を提唱している。ViewRangerもその一翼を担うもので、この発表の前には、工事・保守現場での各種危険作業を映像・音声の両方でリアルタイムに記録/伝送することで詳細な指示を与えるというソリューションも明らかにしている。

 なお、今回の発表に関連して、12月15日に開催予定の日本SGI ブロードバンド・ユビキタス・ソリューション 2004では、KDDIの執行役員でモバイルソリューション事業本部モバイルソリューション商品開発本部長の田中孝司氏がKDDIのモバイルソリューションについて語る予定だ。

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