日本SGI、NTTコムとアセット管理ソリューションの共同開発を発表

日本SGIとNTTコミュニケーションズは、映像・放送業界や印刷業界、製造業、官公庁・自治体向けとなる「アセット管理ソリューション」の共同開発を行うと発表した。

» 2004年12月14日 16時24分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 日本SGIとNTTコミュニケーションズは12月14日、画像や映像など大容量のコンテンツやドキュメントなど、企業内のあらゆる電子データを一元管理する「アセット管理ソリューション」の提供を目指し、共同開発を行うことを発表した。開発後には共同でマーケティングおよびサービス提供を行う予定。

 同ソリューションのコアとなる部分は、日本SGIが得意とするビジュアライゼーション(可視化)分野の関連技術をベースに開発した「SGI IML」(IMLはInfinite Media Libraryの略)が用いられている。SGI IMLはあらゆる種類のデジタルアセットを一括で管理することが可能なコンテンツ管理用のライブラリ。

 そこにNTTコミュニケーションズが放送と通信の連携に向けて開発してきたメディア資産を保管・運用するシステム(メディアアセットマネジメントシステム)と、NTTサイバースペース研究所における映像圧縮/符号化、映像コンテンツの索引化、認識などの要素技術を組み込むことで、データタイプを問わない形のアセットマネジメントが可能となる。

 また、NTTコミュニケーションズはこれまで、同社が提供しているホスティングサービス「パワープラットフォームホスティングサービス」上で、SGI IMLを稼動させるための実用検証を実施してきた。こうした検証の成果として、遠隔地からのメディア資産の利用などが可能となる広域の統合化されたアセット管理環境も実現可能になるとしている。

 同ソリューションにより、たとえば、放送・映像分野であれば、映像の保存、管理および配信について、高いセキュリティレベルに基づいた一元管理を実現可能となる。また、製造業では、製品のデザインデータと関連情報を一元的に管理するソリューションの構築が可能となる。具体的な例を挙げると、標準的なERPパッケージである「SAP R/3」の出力フォーマットにPDFを選択することで、ERPと連携した一元的な帳票作成、管理が可能となる。

 「ブロードバンド・ユビキタス社会では情報セキュリティがより重要になる」と以前のインタビューで日本SGIの和泉氏が話しているように(関連記事参照)、今回の発表は、情報セキュリティの部分にフォーカスし、統合化されたアセット管理環境を提供しようとするものであるといえる。

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