WebサービスをAmazonで知る(前編)――ECS 4.0でアフィリエイト(3/5 ページ)

» 2005年01月19日 16時15分 公開
[金子 順ITmedia]

 「Service=AWSECommerceService」は、サービスとしてECSを利用するという意味になります。

 「&SubscriptionId=」と「&AssociateTag=」には、前ページで取得したsubscription IDとアソシエイトIDを指定します。

 「&Version=」は、ECS 4.0で新たに導入されたパラメータのひとつです。AmazonのECSサーバに新しく機能追加されるなど、ECSがバージョンアップすると、バージョンアップされた日付けが新しいVersionとなります。自分が開発するタイミングでの最新のバージョンを指定しておきましょう。

 Versionを指定しなければ、ECSから取得する商品データが変更された場合など、自分の開発したアプリケーションに影響が出る可能性が高いため、必ず指定する必要があります。特にトラブルになりやすいのは、後述するXSLT機能を利用して、商品情報をHTMLに変換する場合です。

 XSLT機能を利用すると、取得した商品情報XMLをHTMLに変換して表示することができます。作成するXSLT内ではXMLのnamespaceとして Versionを指定するのですが、RESTリクエストで指定するVersionと、XSLT内のnamespaceで指定するバージョンが異なっていると、XSLT変換が行われず、期待するレスポンスを受け取れません。

 RESTリクエストでVersionを指定しないと、その時点での最新のVersionとみなされます。そのためXSLTを記述した時点では問題なく動作していても、ECSが新しいVersionに更新されると、動作しなくなる可能性があります。ここは、ECS 4.0で最初に気をつけなくてはならないポイントなので、しっかりVersionを指定しましょう。

 ここまで追加したRESTリクエストのサンプルは、以下のリンクのようになります。このURLでリクエストすると、当然ですが「検索用のパラメータが足りないよ!」と怒られてしまいます。ただし、ECS 4.0からは、かなり具体的にエラーメッセージを表示してくれるため、何のパラメータが足りないかはすぐに把握することができます。この場合は、The Operation parameter が無いよと注意されます。

 Operationパラメータとは、ECS 4.0に対してリクエストする問い合わせの種類になります。ECS 4.0では、商品情報以外にもさまざまなデータを取得することができ、Operationパラメータは以下のようなものがあります。

The Operation parameter 問い合わせの種類
&Operation= ItemSearch(商品名、著者名などで検索)
ItemLookup(ASINなどのItemIdで、商品を検索)
ListSearch(リストマニア情報を検索)
ListLookup(リストマニア情報をID検索)
SimilarityLookup(関連商品の検索)
Help(HELPを表示。開発ツールなど用)
 
CartCreate(リモートショッピングカートを作成)
CartClear(カートをクリア)
CartAdd(カートに商品追加)
CartModify(カート内の情報変更)
CartGet(カートを取得)
 
TransactionLookup(USのみ)
CustomerContentSearch(USのみ)
CustomerContentLookup(USのみ)
SellerListingLookup(USのみ)
SellerLookup(USのみ)
SellerListingSearch(USのみ)

 Amazon.co.jpでは利用できない機能もありますが、通常は、ItemSearchとItemLookupを主に使うことが多いでしょう。

 ItemSearchは、商品名や著者、アルバムの曲名など、キーワード検索の際に指定します。ItemLookupは、ASIN番号などを指定して、特定商品を検索するのが主な用途です。

 2番目は、検索結果として、どのような情報を取得したいか? というResponseGroup指定です。AWS 3.0ではSmall、Medium、Largeという3段階でしか取得情報のバリエーションを選べませんでした。しかし、ECS 4.0ではきめ細かに取得する情報を指定できます。

ResponseGroup : 取得したい情報
&ResponseGroup= Request(RESTリクエストのパラメータ)
ItemIds(商品のASIN、商品数、ページ数)
Small(最小限の情報)
Medium(中くらいの情報)
Large(沢山の情報)
 
ItemAttributes(商品の詳細情報)
EditorialReview(商品の紹介文)
Reviews(カスタマーレビュー)
ListmaniaLists(リストマニア)
Tracks(音楽CDの楽曲情報)
SalesRank(売り上げランキング)
BrowseNodes(商品がリストされるカテゴリ)
Images(商品画像のURL)
Similarities(関連商品)
 
OfferFull(在庫情報や価格など)
Offers(新品か中古かなど)
OfferSummary
Accessories(デジカメなどのアクセサリのASIN)
Variation(以下をまとめて)
VariationMinimum(シャツのサイズ違いなど関連ASIN)
VariationSummary(最高値や最安値、出品数など)

 ResponseGroupパラメータは組み合わせて使うことが可能であり、例えば最低限の情報と、関連商品の情報だけがほしい時は、「&ResponseGroup=Small,Similarities」などのようにカンマ(,)で区切って複数パラメータを指定することができます。自分のプログラムで利用する情報など、必要なResponseGourpは明示的に指定することを心がけましょう。

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