ミラクル × ネットアップ──実証済みのタッグが大規模基幹システムに挑むトップ対談(1/6 ページ)

ROIを重視する企業は、サーバだけでなく、OSやストレージに対する投資にも敏感になっている。「実証済みのソリューションスタックで大規模な基幹システムに挑みたい」とミラクルの佐藤社長とネットアップの鈴木社長は意気込む。

» 2005年03月07日 09時54分 公開
[浅井英二,ITmedia]

IAサーバのコモディティー化は企業の情報システムに大きな変革をもたらしている。ROIを重視する企業は、サーバだけでなく、OS、ミドルウェア、そしてストレージに対する投資にも敏感になっている。「IAサーバとLinuxとなれば、もはやFibre Channel接続の高価なSANという選択はない」と話すのは日本ネットワーク・アプライアンスの鈴木康正社長。データベースシステムはFC SAN、というこれまでの常識も価格性能比に優れるIP(NFS)接続のNASによって変わりつつある。1月下旬、OracleとNetwork Applianceは中国・北京に共同センターを開設し、アジア地域のLinux標準、Asianuxと組み合わせたソリューションの検証を加速させるという。ミラクル・リナックスの佐藤武社長とネットアップの鈴木社長に話を聞いた。

ミラクルの佐藤武社長(左)とネットアップの鈴木康正社長

ITmedia 企業にどんどんLinuxが浸透しています。ミラクル・リナックスはどのような施策を考えていますか。

佐藤 2004年後半からLinuxサーバのマーケットが急速に伸びてきました。しかも、その需要はこれまでのネットワークエッジサーバからハイエンドでミッションクリティカルな基幹業務へと拡大してきているのを実感しています。しかし、それは同時にわれわれLinuxディストリビューターへの要求もより厳しくなっているということです。

 インテルEM64TやAMD64が企業のサーバ領域の大部分を担っていくことは間違いないでしょう。われわれも64ビットに対応し、同時に基幹業務でのLinux採用を睨んでサポート体制の強化を図っていきたいと考えています。また企業顧客らは、より高度で信頼性を確実に確保できるサポートサービスを求め始めています。特に、カーネルに起因するトラブルが発生した際の迅速な原因の究明と対策の実施が求められています。日本ネットワーク・アプライアンスとのアライアンスもそうした一環です。

鈴木 年初にNetwork Applianceは、向こう数年間、日本市場に積極的な投資を行うことを決定しました。ようやくエンタープライズ市場に布石が打て、SAN(Storage Area Network)ストレージのようなミッションクリティカルな用途でもネットアップ製品の採用が拡大してきています。積極投資の狙いは、もう一段アクセルを踏もうということです。

 また、パートナーとの共存共栄をきちんと保証するインフラや施策がなければ永続的な成長は難しいものです。それらを作り上げていくことが目標になります。

ITmedia この時期、日本市場に積極的な投資を行う米国ベンダーは少ないです。

鈴木 日本より中国を重視するベンダーもあるでしょうが、やはり規模としてはまだまだ日本の市場の方が大きいわけで、本社は「先ず日本」という判断を下したと思います。

佐藤 とても元気が出る話ですね。

Linuxが直面するチャレンジは?

ITmedia Linuxがきちんと企業に根づくには、まだまだチャレンジがあると思います。

佐藤 ミッションクリティカルな基幹業務にLinuxの適用が始まっていますが、まだまだベンダーサポートは未知数で、ユーザー側の不安は拭いきれていません。

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