ミラクル × ネットアップ──実証済みのタッグが大規模基幹システムに挑むトップ対談(2/6 ページ)

» 2005年03月07日 09時54分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 確かにLinux自体がコストパフォーマンスに優れ、企業のIT投資もROIを重視し始めています。そういう意味で追い風は吹いていますが、地殻変動のエネルギーはまだ弱く、ゆっくりと動いています。とはいえ、1つひとつ大きな重石(おもし)が取れてきている実感はあります。

 昨年12月、ミッションクリティカルな業務へのLinux適用に対して、ミラクルはインテルEM64TやAMD64に対応した「MIRACLE LINUX V3.0」(Asianux Inside for x86-64)を発表すると同時に、「エンタープライズサポート」を追加することも明らかにしました。サポート期間を7年間に延長し、新たなメニューとしてダンプ解析やパッチ提供などの障害対策を追加したサポートサービスです。ユーザーの不安を払拭すべく、われわれは他社に先駆け、1月1日から開始しています。

ITmedia 大切なデータを保管するストレージについて、企業はどのように考えているのでしょうか。

鈴木 日本市場ではハイエンドの領域で国産ストレージベンダーもしのぎを削っているため、ハイエンドがEMCや国産ベンダー、ミッドレンジとローエンドはネットアップというイメージが強いのですが、欧米市場ではそうした対極図式は既に崩れています。彼らの製品は素晴らしく品質も高いけれども、4年経過したあとの保守料金の見積もりを見せられて唖然とすることもあるようです。日本市場でも、ROIの視点から痛い目に遭い、オルタナティブ(代替)ソリューションを探すときにネットアップが検討されるという位置づけに変わってきています。

 もちろん、そうした背景には、全社を挙げた品質改善の取り組みがあります。製品、機能、サービス、社内プロセス……、さまざまな品質改善に取り組み、それが功を奏しています。特に、日本市場が求める品質の標準は欧米のそれとは格段に高いものです。日本ではさらに厳しい品質改善に取り組んでいます。

 企業はサーバ関連のコストに対して敏感になっています。それらにはハードウェアだけでなく、OSのライセンス料金も含まれ、多くの企業が、来年度のIT投資計画の中でどこまでLinuxノードを増やすか、あるいはLinuxノードで置き換えていくかを真剣に検討しています。これは一部のセグメントの企業に限られた話ではありません。半導体、ISP、あるいはメディアだけでなく、今や金融、製造でもそうした議論が行われています。

1985年、人口知能ソフトウェアを研究開発するインテリジェントテクノロジー創業。シスコシステムズを経て、ネットアップの社長に就任した鈴木氏

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