RSSでは、Syndicationモジュールもよく使われる。Syndicationモジュールとは、表5に示す要素が定義されているものであり、コンテンツの更新間隔を定義する際に使用する。
このようにRSS 1.0では、モジュールを使うことで意味付けを拡張できるという特徴があるのだ。
ただし、ツールであるRSSリーダーを使いRSSデータを読み取る場合、RSSそのものの意味付けが利用されるかどうかは別問題だ。RSSリーダーが理解しない(利用しない)ものは無視される。
表4■Dublin Coreモジュール
要素 | 意味 |
---|---|
title | タイトル |
creator | 作成者 |
subject | サブジェクトやキーワード |
description | 概要 |
publisher | 発行者 |
contributor | 協力者や貢献者 |
date | 日付 |
type | リソースの種類。画像、テキスト、動画など |
format | リソースの形式(MIMEタイプ) |
identifier | リソースの識別子。URIやISBNコードなど |
source | 引用元などの元リソース |
language | 言語。ISO-639のコード。日本語なら「ja」 |
relation | 関連するリソース |
coverage | リソースが適用される範囲や対象 |
rights | 著作権など |
表5■Syndicationモジュール
要素 | 意味 |
---|---|
updatePeriod | updateFrequencyで指定する単位。「hourly」「daily」「weekly」「monthly」「yearly」のいずれか |
updateFrequency | このリソースの更新間隔(正の整数)。たとえば、updatePeriodが「hourly」でupdateFequencyが「8」なら「8時間ごと」 |
updateBase | updatePeriodやupdateFrequencyの間隔を決めるときの基準日時 |
3)RSS 2.0(Really Simple Syndication、仕様関連リンク)
RSS 2.0は、RSS 0.9xを改良したRSSであり、上位互換となるものだ。その一方で、RSS 1.0との互換性はない。また、RSS 2.0はRSS 0.9xの要素に加えていくつか利用できる要素が増えている。そのほか、RSS 1.0と同様に名前空間を指定することで、モジュール追加ができるという特徴を持っている(図4)。
コラム■Atom Syndication Format |
RSSと同様にしてコンテンツの配信をするためのフォーマットとして「Atom Syndication Format」という仕様が提唱されている。Atom Syndication Formatは、RSSで表現するものをまったく新しい構文で示すものだ(Atom Syndication Formatは、単に「Atom」とも略されるが、Atomにはもうひとつ「Atom Publishing Protocol」という仕様がある。こちらはBlogを編集操作するためのAPIを提供するもの)。現在、IETFによる標準化(RFC)が目指されており、仕様のドラフトも参照できる(関連リンク)。Atomは、まだ仕様ドラフト段階であるが、GoogleのBloggerサービスでは、RSSではなくAtom Syndication Formatが積極的に採用されるなど、導入の動きが活発だ(関連記事)。RSSは、ここまで説明してきたように、RSS 0.9x/2.0系とRSS 1.0系とが混在して分かりにくい状況にある。そのためAtomが正式にRFC化されれば、場合によっては、RSSからAtomへ移行していく可能性もある。RSSリーダーのいくつかは、すでにAtom Syndication Formatに対応しているものもある。なお仕様を見ると分かるが、Atom Syndication Formatは要素名がまったく違うものの、構造はXMLであり、RSSと大きく違わない。そのため、RSSからAtom Syndication Formatへの変換は、それほど難しくはない。 |
ここまで説明してきたように、RSSのデータフォーマットは極めて単純なXML形式ファイルなのだ。そのため、その書式に則った形式のXMLファイルを作ればよいだけ、ともいえる。
慣例的にRSSのファイル名は、「rss.xml」や「rss.rdf」(RSS 1.0の場合)といったファイル名(拡張子)が多いが、特に規定はない。RSSデータはXML形式のファイルのため、コンテンツタイプ(MIMEタイプ)は、サーバサイドで「text/xml」または「application/xml」として規定し、クライアントへ返すようになっていればよい。もしくは「application/rss+xml」を返すという方法もあるが、2005年4月現在、一部対応しないWebブラウザがあるため避けるのが無難だ。
なおファイル内の文字コードは、<?xml ?>の部分でエンコード指定をすると、こちらも任意で構わない仕様だ。日本語サイトからの配信であれば、<?xml encoding="utf-8">として、UTF-8コードで記述することが多いだろう。実は、第三者から公開されているRSSをリーダーなどで表示する際、ハマりやすい問題は文字コード不一致の文字化けといえる。
RSSはもちろん手書きで書いてもよいし、RSSを記述するためのソフトを使ってもよい。RSSを記述するためのソフトとしては、たとえば、「Headline-Editor(http://www.infomaker.jp/editorlite/)」などがある。またサイトをデータベースから生成しているなら、データベースからRSSのXML形式ファイルを書き出すようにすれば、RSSの動的な生成も可能だろう。
ところで、RSSを作成するときには、そのRSSが書式上、正しいかどうかを確認したいことだろう。
Webでは、RSSが正しいかを調べるバリデータのサービスがいくつか提供されている。有名なところでは、「Feed Validator for Atom and RSS」がある。ここではRSSのURLを入力することで、そのRSSフォーマットが正しく記述されているデータかどうかを調べることができる。また、Feed Validator for Atom and RSSでは、検証に成功すれば、ロゴマーク画像を入手してリンクし、公式データとして知らしめるページ貼り付けが許されている。
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