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» 2005年04月19日 23時40分 公開

Cisco Partner Summit 2005:メッセージベースのルーティングに向けたCiscoの新技術「AON」

CiscoのCTOを務めるチャールズ・ジャンカルロ氏によると、将来のネットワークはTCP/IPを越え、XMLなどをベースとしたアプリケーションレベルの世界に広がるという。

[鈴木淳也,ITmedia]

 米Cisco Systemsが4月4日〜6日の3日間にわたってカナダのバンクーバーで開催した「Partner Summit 2005」の中で、同社CTOのチャールズ・ジャンカルロ氏が「Real Time Enterprise」をテーマにした講演を行った。

 ビジネス分野において「リアルタイム」というフレーズを考えたとき、どのようなことが思い浮かぶだろうか。

 一番分かりやすい例が、インスタント・メッセージング(IM)によるテキストチャットや音声チャットだろう。同氏によればそれだけでなく、VoIPによるIP電話のほか、ネットワークのセキュリティ、必要な情報をリアルタイムに取り出せるシステムの実現など、あらゆるソリューションも対象になるという。

 Ciscoが提供するリアルタイム・ソリューションの例として、ジャンカルロ氏はビデオチャット製品の「Cisco Meeting Place」とセキュリティ統合ソリューションである「Self-Defending Network」の2種類を紹介した。

ジャンカルロ氏 米Cisco SystemsのCTO、チャールズ・ジャンカルロ氏はAONという将来のネットワーク像についても説明した

 特にSelf-Defending Networkに関しては、2月に開催されたRSA Security ConferenceでIPS(Intrusion Prevention System)をソリューションに追加しており、被害が広まる前に攻撃の兆候を見極め、対処を行うことが可能になった(関連記事)。ジャンカルロ氏によれば、現在のネットワークでは数分単位で攻撃に対する対処が可能だが、将来的にはさらに数秒単位の攻防になることが見込まれると述べている。

 また将来的なネットワーク像として、独立して存在していた複数のネットワークは互いに融合を始めるという。ネットワーク上のファイルやサービス、SANなどのネットワークは1つの巨大な「仮想バックプレーン」に統合され、インテリジェントなスイッチによってすべてのリソースに一元的に、しかも自在にアクセスできるようになるだろうと予想する。これが進むことで、あらゆるサービスをリアルタイムに利用できる環境が実現できるようになると同氏は説明する。

 現在、スイッチやルータの性能は向上し、かつては別の製品で提供されてきたセキュリティ機能なども、本体の一機能として取り込まれつつある。これがさらに進むと、例えばルータはIPパケットのルーティングだけでなく、アプリケーション層などのさらに上位レイヤの情報を見極めたうえでルーティングが行われるようになるという。

 ジャンカルロ氏はこの概念を「Application Oriented Network(AON)」と呼んでいる。AONでは、パケットレベルでのルーティングだけでなく、XMLやMQ(Message Queueing)といったメッセージベースでルーティングが処理され、すべての挙動やセキュリティなどはメッセージが基準となる。

 ニュースサイトの米CNET News.comによると、同社には以前、4月を目標にAONに関する具体的な製品発表の予定があったが、諸般の事情でスケジュールが遅れているという。個の記事によれば、AONではIBMのMQ Seriesをベースにしたメッセージング処理が可能であり、製品ラインとしては、XMLアクセラレータのほか、MQベースで拠点間のメッセージ通信を行うアプライアンスやソフトウェアが用意されるという。

 AONに関して質問したところ、「詳細については、時期が来た段階でお話しする」(CEOのジョン・チェンバース氏)との回答であり、具体的な製品や発表時期は現時点で不明である。ただ前述の報道では、6月ごろを発表の1つのめどとしており、準備さえ整えばすぐにでもリリースが行われる状況のようだ。

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