「買収というよりも合併」、新生Symantec語るVeritas CEOVERITAS VISION 2005 Report(1/2 ページ)

「SymantecがVeritasを買うとか、VeritasがSymantecを買うとか、そういう見方よりも、この市場で違ったことをやるために合併したという見方が正しい」と、VeritasのブルームCEOは話す。

» 2005年04月28日 07時04分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 SymantecとVeritasが合併して生まれる新生Symantecは、セキュリティを含めたインフラ管理をワンストップで提供できる巨大ベンダーとなる。カバーする市場は、2007年までに560億ドルになるという。そのうち75%はエンタープライズビジネスとなり、新生SymantecでのVeritas製品の担う役割は非常に大きい。

 ただ、企業文化の違いなどといった懸念もあり、統合が順調に進むか疑問視する声も少なくない。両社の具体的な製品統合のロードマップはまだ示されないままだが、当面は管理フレームワークの共通化から行い、順次シナジー効果を発揮していきたい考えだ。

 合併発表直後の1月に続き、ブルームCEOが日本人記者団と会見し、Symantecとの合併について語った。

ゲイリー・ブルームCEO 「デリバリとサポートは合併の前よりもどんどんよくなっていく。日本へのコミットも変わらない」とブルームCEO

――Symantecはコンシューマービジネスである一方、Veritasはエンタープライズビジネスという印象があります。違ったバックグラウンドを持つ2社の合併という感じがしますが。

ブルーム よく聞かれる質問ですが、Symantecはコンシューマービジネスが50%、そして残りの50%がエンタープライズビジネスになっています。Veritasもエンタープライズの顧客を世界中に持っており、合併後は収益の75%がエンタープライズビジネスによってもたらされることになります。引き続き、コンシューマーに向けても製品を出していきます。

――合併後の製品統合は予定していますか?

ブルーム 製品に関しては、時間をかけて統合していくことになると思います。すぐにできるのは、例えばExchange環境に向けてアンチウイルス、アンチスパム、バックアップ、コンプライアンス、ストレージ管理といった製品をバンドルするなどということです。

 我々が時間をかけてやりたいと考えているのは、セキュアなネットワークや、セキュアなプロビジョニングシステムを実現するために、Symantecの技術を使っていきたいということです。Symantecのセキュリティと我々のハイアベイラビリティの両方を足すことでシナジーを上げていくことを狙っています。それは可能なことだと考えています。

 2つの製品はどうやって統合していくか、その戦略ですが、最初の数カ月間はそれぞれのグループが既存の顧客ベースに影響を与えないように展開していくことになります。ジョン・シュワルツ氏にそれぞれの組織がレポートするマネジメント体制をとっています。テクノロジーの面では、最初の18カ月の間に個々の製品の管理を連携させる共通のフレームワークで、管理が行えるようにインテグレートしたいと考えています。

――勝ち組同士の合併で必ず成功するとのことですが、競合はむしろ勝ち組として巨大化した2つの組織が結びつくのは難しいと指摘しています。

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