「買収というよりも合併」、新生Symantec語るVeritas CEOVERITAS VISION 2005 Report(2/2 ページ)

» 2005年04月28日 07時04分 公開
[堀哲也,ITmedia]
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ブルーム 当然競合はそう言うでしょう。しかし、現実は2社の企業文化というのは違うと言うよりも、似たようなところが多いと思います。セールスもエンジニアもお互い素晴らしい協力関係がありますし、マーケティングにしてもそうです。お互いソフトウェア企業ですから、ハードウェアとソフトウェアの企業が一緒になるのとは違います。

 またシニアマネジメントチームの能力も経験も優れたものです。私はOracleでジョン・トンプソン氏はIBMでもリーダーシップを発揮してきました。競合他社はむしろこのような私たちを恐れているから、そのようなことを言うのでしょう。

――セキュリティといってもSymantecはインターネットセキュリティの分野です。Veritasはイントラネットの奥にあるストレージです。同じセキュリティとはいっても、求められるのはユーザー認証だったり、権限管理といったものです。Symantecの技術はVeritasの製品にどんなメリットをもたらすことができるのですか?

ブルーム まず言えるのは、今日データは外部向け内部向けと分けることができないということです。イントラネット、エクストラネットでもデータを得ることができるのです。単にデリバリの形態が違うだけです。これをVeritaはどのようにアベイラブルにするか、Symantecはどのようにセキュアにするか、取り組んできたわけです。両方とも大切なものです。

 私たちが長期的に行っていきたいことは、ディスクに格納したコンテンツをセキュアに守っていくために、Veritasのストレージアーキテクチャの上にSymantecの技術を取り入れていくことです。これはデータへのアクセスがセキュアであり、データのアベイラビリティも確保されているということです。一夜にしてできるものではありませんが、この2つコンセプトを満たすことで、より強いものが提供できると見ています。

――むしろVeritasがSymantecを買収したかのように聞こえますね。

ブルーム 買収というよりは合併ということです。法的にはどちらかが買収しなければならないのです。両方がお互いを買うということはできません。オーナーシップを見てみると、Symantecが60で、Veritasが40という割合になります。役員もSymantecが6人で、Veritasが4人という構成です。SymantecがVeritasを買うとか、VeritasがSymantecを買うとか、そういう見方よりも、この市場で違ったことをやるために合併したという見方が正しいでしょう。そうすることで、顧客のもっと大きな問題を解決していく方向に持っていきたいのです。

 私はこの強い2社が一緒になる方が別々でいるよりも、市場でより強くなれると信じています。両社の良いところを集めて、別のものを作ろうと考えています。

――エンタープライズが75%を占めるのであれば、SymantecよりもVeritasの名を引き継いだほうがよかったのではないですか?

ブルーム それにはいくつかの理由があります。1つは法的な問題です。法的には、SymantecがVeritasを買収しているのです。そしてもっと大きな理由は、コンシューマーにSymantecのブランドがよく知られていることです。コンピュータショップに行けば、黄色い箱のSymantec製品がいっぱい並んでいます。消費者はブランドで製品を買いますからSymantecを維持したほうがよかったのです。

 一方、エンタープライズというのは、製品の機能で購入する傾向にあります。コンシューマーに比べれば、ブランドはそれほど大きな意味を持ちません。そういう意味で、既に消費者に名前の知られているSymantecを維持したほうがよいだろうと判断しました。

 名前に関しては感情的な問題になりがちですが、今回の合併はそういった感情的なものでなくビジネス上の理由で行われたものです。

――Veritasの製品がコンシューマー向けに提供することもあり得ますか?

ブルーム Veritasは数年前にコンシューマー向けの製品を開発することを止めています。なぜなら、エンタープライズを相手にしている私たちには、消費者マーケットにアプローチする手段がなかったからです。

 ただ、Symantecには小売店などの棚においてもらえる力があります。Veritasの過去の製品がいまの市場に適応しているかを見て、消費者用のブランドを再び出そうという考えもあります。まだアナウンスしていませんが。

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