ニュース
» 2005年05月18日 14時28分 公開

EMC、ストレージ仮想化技術「Invista」を発表

EMCのInvista技術はストレージネットワークスイッチに搭載されるという点でIBMやNetwork Applianceなどが販売している仮想化技術とは異なっている。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 米EMCは5月16日、年次ユーザーカンファレンスでストレージ仮想化技術を発表した。この技術は主要スイッチベンダー3社の製品に搭載され、来四半期に提供開始される。

 この技術「Invista」(旧称「Storage Router」)は、予定より1四半期遅れての登場となる。EMC幹部はこの遅れを、「一般的な」開発の問題によるものとしている。

 同技術は、アプリケーションサーバに対し、異種混在SAN(ストレージエリアネットワーク)上のアレイを、あたかも1つの容量プールであるかのように見せかけることができるとEMC主任開発者のマーク・ルイス氏は説明した。同技術を搭載した仮想化デバイスは22万5000ドルからの価格で販売され、最初の実装で最大64Tバイトのストレージをサポートできる。

 ニューオーリンズで開かれたEMCのTechnology Summitで、ルイス氏はホールに集まった約4000人の聴衆に、この製品の最初のバージョンはGlobal 2000社をターゲットにしていると語った。これは古いシステムからのデータ移行や、ソフトのアップグレード中にアプリケーションを中断させないためにほかのシステムにデータを移す際に最も有用だろうと同氏。

 「変更管理こそ、この製品の対象分野だと思う」(同氏)

 同氏はこうも語った。「エンタープライズを追求するのは、出発点としてふさわしいからだ。驚異的な売上や、いかに迅速に売上を立てられるかは追求しない。われわれはこれを開発環境に投入したい。この分野は大きな顧客であり、ここでミスはしたくない。いずれはスケールダウンするつもりだが、これは最高の事業継続性を有し、最も変化と逆を行く顧客にとって最も価値ある技術だ」

 Invistaの最初のバージョンは直販でのみ販売されるが、ルイス氏は、2006年前半にEMCの「比較的経験のあるチャネルパートナー」にこれを開放する見通しだとしている。同氏によれば、Invistaの最初のバージョンはEMCの「Connectrix」スイッチ、Cisc SystemsのMDSスイッチシリーズ、Brocade Communications Systemsのマルチプロトコルスイッチに搭載される。2006年初めにはMcDataのスイッチにも導入される。

 このスイッチベースの仮想化ファームウェアは、EMCのミッドレンジ製品「Clariion」とハイエンドストレージ「Symmetrix」、さらにHewlett-Packard(HP)、IBM、Hitachi Data Systemsのシステムをサポートする。またEMCの主力管理ソフト「ControlCenter」に密接に統合される。

 Invistaはストレージネットワークスイッチに搭載されるため、帯域外の技術であるという点でIBMやNetwork Applianceなどが販売している仮想化技術とは異なる。つまり、Invistaはネットワークを通るデータブロックに関連するメタデータを使って、ストリームを中断させることなくトラフィックの流れをアレイに誘導するということだ。またこの技術は、Fabric Application Interface StandardやStorage Management Interface Specificationなどの業界標準をサポートする。

 「われわれはデータをルーティングするだけだ。アレイからは、すべてを通過させるだけの非常に単純なホストバスアダプタのように見えるだろう。アプリケーションからは見えない。ネットワークベースのボリューム管理のようなものを提供できる。すべての主要スイッチベンダーで動作するという点でオープンな製品だ」(ルイス氏)

 Enter Strategy Groupのアナリスト、ナンシー・ハーレイ氏は、EMCは主要ベンダーの中では最後にこの規模の仮想化製品を投入したが、仮想化技術の採用は急速に拡大していると語った。仮想化技術は置かれている場所にかかわらず、まだボトルネック問題を生じていないので、帯域内か帯域外かをめぐるベンダー間の論争が争点になっていると同氏は言い添えた。

 MidAmerica Bankのデータセンター管理者ポール・ストンチュス氏は、同行のデータセンターではEMCのSymmetrix、Clariion、Centeraアレイを導入しており、いずれはアレイ間のデータ移行にInvistaを利用したいと話している。同氏の目標は年数や重要性に基づいてストレージの適切なレベルに情報を置くことだが、「一からやり直す」準備はまだできていないという。

 「Invistaには興味を引かれる。ClariionとSymmetrix(環境)の横断を決定した場合にこの技術にはメリットがある。私は(Invistaの)バージョン2を待つつもりだ」(同氏)

 ソフトベンダーAcxiomのストレージエンジニア、マリオ・アルベラーゼ氏は、Invistaは同氏が求めていた技術だと語る。ストレージ管理ソフトのアップグレード時のデータ移行はアプリケーションのダウンタイムを発生させるからだ。HP、IBM、Storage Technologyのストレージを利用している同氏は、22万5000ドルというInvistaの価格は「25Tバイトのデータを移行させることを考えたら」高すぎるということはないと話す。

 「われわれがデータ移行を行うたびに問題が起こる。今はパフォーマンスが低下する問題のためにデータの移行を行っていない」(同氏)

 Banknorthのストレージバックアップシステム管理者ダニエル・ウィン氏は、仮想化技術をネットワーク上に置くという考えは好きではないと話す。ネットワーク管理者とストレージ管理者のどちらが管理責任を持つのかに関して混乱が生じるためだという。仮想化技術は日立のTagmaStorなどのアレイ上に置くべきだと同氏は考えている。

 「私の会社では、ネットワーク部門とストレージ部門が別になっている。誰が管理に責任を持つことになるのだろうか?」と同氏は問いかけた。同氏が管理する20TバイトのSANベースストレージはすべてEMCのアレイで構成されている。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -