事例に見るSOA構築時の考慮点Pep BoysによるSOA導入(3/3 ページ)

» 2005年05月23日 00時00分 公開
[梅田正隆,ITmedia]
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ESBの役割

 次に重要となるのが、そのサービスを実装したプラットフォームや言語、連携するプロトコルに依存しないということだ。こうしたサービスの位置透過性や、プラットフォームあるいはトランスポートの差異の隠蔽は、換言すればサービス間の通信経路の実現であり、SOAにおいてはエンタープライズ・サービス・バス(ESB)がこれを担う。

 一方、サービスを利用する端末の観点からは、サービスが使用しやすい粒度であることが重要となる。サービスの粒度は、再利用性や運用管理の容易性などの顧客の優先順位で決まる。

 ただし、「サービスの提供者と利用者の両側面から見た場合、ギャップが生じることが多く、その場合はインテグレーション層で適正化を行う必要があります」と蓮見氏は指摘する。サービスの粒度の適正化を行うのが、SOAにおけるサービス連携の仕組みであるプロセス・サービスとなる。この仕組みによって、小さい粒度のサービスを組み合わせて、大きな粒度のサービスを実現する。

 「ESBについては、他メーカー製のESBとの相互接続性はまだ規定されていませんが、サービスの観点ではスタンダードな技術を用いることでアクセスが可能ですから、メーカーが異なるESB間の相互接続は可能といえます」(蓮見氏)

 Pep Boysでは、店舗および本社ITセンターそれぞれにESBを配置し、それぞれのESBが相互接続され、全社的に1層のESBとなる構成となっている。本社ITセンターにWebShpere Business Integration Message Broker、店舗側にはWebShpere Business Integration Server FoundationのWebSphere Process Choreographer機能を使用して、分散ESBを実装している。

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