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» 2005年05月31日 22時10分 公開

「情報志向」を訴求、アプリケーションでもリーダーの座を狙うオラクル

日本オラクルは6月下旬、ビジネスアプリケーションに的を絞った初のカンファレンスを開催し、彼らが一貫して取り続けてきた「情報指向」のアプローチを売り込む。

[浅井英二,ITmedia]

 「やりたいことがはっきりしていれば、SAPとはコンペにならない」──そう話すのは日本オラクルでE-Business Suiteを統括する保科実常務執行役員。同社は6月下旬、ビジネスアプリケーションに的を絞った初のカンファレンス、「Information-Age Applications Day 2005」を開催し、彼らが一貫して取り続けてきた「情報指向」のアプローチを売り込む。

サポートサービスに加え、今春からアプリケーション製品も統括することになった保科常務

 ビジネスアプリケーション分野の覇権をめぐり、OracleはSAPと激しく争っている。今年初め、約1年半も繰り広げた株式公開買い付けの末にPeopleSoftを買収したのに続き、いったんはSAPとの合併で合意していた小売り業界向けのソフトウェアを手がけるRetekにも横槍を入れて競り勝った。データベースの巨人は、ビジネスアプリケーションの分野でもリーダーの座獲得に執念を見せる。

 Oracleの強みは、データベースを核とした情報中心のアプローチだ。ここ数年は、アプリケーションサーバにも力を注いでおり、一体となったミドルウェア基盤を「Oracle 10g」ブランドで売り込んでいる。

 「ビジネスアプリケーションのあるべき姿は、コスト削減から情報活用へと変化している。Oracleは情報をリアルタイムで正しい人に提供し、ビジネスに生かしていくことを訴えてきた。その一環としてE-Business Suiteが生まれている」と保科氏は話す。経営という観点からすると、単なるコスト削減よりも情報活用を出発点とするE-Business Suiteの価値は高いというのだ。

Collaxa買収でプロセスの統合でも先んじる

 また、経営からすれば、情報活用以上に「統合」は待ったなしだ。企業はばらばらに構築されてきた既存システムの統合を迫られており、ここでもミドルウェアの技術が効いてくる。

 2004年初めのOracle AppsWorld San Diegoで発表された「Oracle Customer Data Hub」が良い例だ。このCustomer Data Hubは、E-Business Suiteに全面的に入れ替えなくても、既存システムを生かしながらシングルデータモデルの恩恵が得られるアプローチだ。

 また、2004年末に発表された「Oracle Application Server 10g Release 2」もSOA(サービス指向アーキテクチャ)のための基盤として大幅な機能強化が図られている。その年の6月にCollaxa買収を通じ、業界最先端のネイティブBPEL(Business Process Execution Language)エンジンを搭載したのが大きい。つまり、この2つの両輪によって、データの統合だけでなく、プロセスの統合でも他社に先んじたわけだ。

 「SOAをうたうベンダーは多いが、実際の製品として機能するのはOracleだけ」と保科氏。むしろ、こうした技術的な強みをうまく訴求できていないという。

 それだけに6月24日に都内で開催するInformation-Age Applications Day 2005では、OracleのSOAをコンセプトだけでなく、とことんライブにこだわって見せると意気込む。E-Business Suiteと他社のERPをCustomer Data HubとBPELによって統合するデモだという。

 Oracleは、PeopleSoftの買収完了後、データベースを除く同社の広範なミドルウェア製品群をまとめ上げるブランドとして「Oracle Fusion Middleware」を打ち出し、PeopleSoftおよびJ.D. Edwardsのアプリケーションがきちんと連携して動作するかの認定を進めている。Oracleは今後、このFusionブランドによって技術基盤の強みとアプリケーションの融合を改めて訴求していくことになる。

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