SEに求められる業務および業界知識ITR 内山悟志の提言(3/3 ページ)

» 2005年06月02日 04時00分 公開
[内山悟志(ITR),ITmedia]
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書籍のコストパフォーマンス

 新聞やWebよりも書籍が優れている点は、全体像を示した上で一定の考え方に基づいて体系的に整理しているものが多い点である。それは、書籍を書く側の立場になって考えてみればわかる。1冊の本を書き起こそうとすると、10万文字分以上に相当する原稿を書かなければならず、これだけの情報を記述するためには、物事を整理してかからなければとても書くことはできないし、著者の知識を余すことなく吐き出さざるを得ない。

 したがって、書籍を読むことは、千円前後で、当該分野に関して専門家の知恵を丸ごと吸収することのできる非常にコストパフォーマンスの高い方法と言えるのである。

 書籍などで、最低限の知識を得ることができたら、次は、積極的に業務担当者とコミュニケーションを行い、自分の得た知識を補強していくように心がけたい。また、その際、知ったかぶりはやめ、知らないことはその場ですぐに聞くようにしたいものだ。どんなににわか勉強をしたところで、その業界や業務のベテランの前では素人同然なのであるから、謙虚な姿勢で臨む方が、有益な知識を吸収しやすいものである。

 ちなみに、あるシステムインテグレーターは会社の基本的なしくみを理解してもらうことを狙って、全従業員に商業簿記の資格を取得することを推奨している。もちろん簿記がわかれば会社経営のすべてがわかるというものではないが、企業におけるさまざまな業務(生産、物流、営業など)の結果は、最終的に財務諸表に集約されることからも、経営活動の基本を学ぶ上で有効な方法ではないだろうか。

内山悟志(アイ・ティ・アール)


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