まずは発生した問題のコントロールやエラー・コントロールの活動を行いながら、問題管理のプロセスを具体化し、PDCA(Plan-Do-Check-Act)のライフサイクルをまわしながら順次活動範囲を広げたほうが結果的にスムーズの導入できることが多いようである。
ITILはベストプラクティスを集めた教科書といわれているように、各社同じ手法を取る必要はないし、ITILに準拠したツールを使う必要も、同じような組織を導入する必要もない。各社の事情に応じて、その導入方法や順番を変化させてもよい。極論すれば10のプロセスと1つの組織を、同じ組織とメンバーで担当しても問題はないし、1つのプロセスからスタートしても、すべてのプロセスを一度に導入してもよいのである(ちょっと乱暴ではあるが)。
これから問題管理のプロセスを導入しようとする際に、エンジニアリソースが不足している場合は、人もしくは組織の兼任も必要であろう。また、導入にあたり、最低限実施するべき項目は以下のとおりである。
IT関連製品のライフサイクルは早く、多くの企業ではさまざまなベンダーの製品を利用しているため、企業もしくは組織でその製品の問題管理を行うことは難しい。ベンダーが保守している製品の問題はベンダーのサポートに任せ、問題管理はその回答時間、回答内容を監視するべきである。
先ほどITILの導入プロセスに決まった順番はないと述べたが、問題管理はサービスに影響を与える原因を究明するだけでなく、インシデントの予防も含まれている。安定したサービスを継続するためにも、また、適正な(安価な)コストでサービスを提供するためにも、できるだけ早期の導入をお勧めするプロセスである。
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