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» 2005年09月02日 13時35分 公開

規制強化でコンテンツ管理がブームの兆し?

企業に対する規制が強化されようとしている。それに伴い、導入が進みにくかったECMに注目が集まり始めている。

[ITmedia]

 個人情報保護法の施行、金融庁が日本版SOX法の草案をまとめるなど、日本でも企業に対する規制強化の機運が高まってきた。企業にはこれら規制に準拠する体制作りを求められる。そのためにITの力を利用しないことは考えにくい。そこでにわかに注目を集め始めたのが、ECM(エンタープライズコンテンツマネジメント)と呼ばれるシステムだ。

 ECMは、企業内の文書を始めとするあらゆる非構造化データを一元管理するためのシステム。もともとは医療など特定の領域で利用される傾向の強いシステムだったが、幅広い企業で使用できる統合プラットフォームとして進化してきた。文書管理だけでなく、Webコンテンツや、音声・動画などのデジタルアセットの管理機能などを取り込み、これらを効率的に共有するコラボレーション機能も備わっている。

 特に日本はECMの立ち上がりが遅れているといわれる。「電子化された文書よりも紙と印鑑に対する信用が依然として強い」(日本ドキュメンタムの岡本克司社長)、「社員がほとんど替わらない終身雇用では、頻繁に入れ替わる米国のような情報に対するセキュリティや共有の意識が芽生えにくい」(日本ステレントの事業開発マネジャーの山下進一氏)など、文化的な側面が導入を遅らせてきた。また、ECMはROIが見えにくい性質もあり、これまでさほど導入が進んでこなかった。

 岡本克司氏 戦略説明会で話す日本ドキュメンタムの岡本克司社長

 しかし、押し寄せる規制強化の波によって、その状況は変わるかもしれない。コンプライアンスという強制力のあるキーワードの出現で、経営層に直接響くシステムになってきたからだ。

 ECMがコンプライアンスで注目される理由は単純だ。Documentumを買収した米EMCのEMCソフトウェア・グループ ソリューションズ・マーケティング担当ディレクターのナオミ・ミラー氏によると、「規制は、文書化、監査証跡、適切なプロセスの確立の3つを求めている」というが、ECMはこれら要件をインフラとしてカバーすることができる。

 また、社内で生成される情報は、Office文書や電子メールなどデータベースに格納されていないものが大半を占める。米調査会社Fulcrum Researchの調査によれば、企業内の情報の80%が非構造化データという程。にもかかわらず、これらコンテンツは分散されたファイルサーバに保存されていたり、クライアントPCに収められているなど、企業の管理がほとんど行き届いていない。ECM製品を導入すれば、バラバラだったこれら情報のリポジトリを統合でき、アクセス制御や、ログ、ワークフロー、アーカイブ、検索などといった機能によって、各種規制の基本的な要求に対応できるようになる。

 ダン・ライアン氏 米Stellentのマーケティング&事業開発担当上級副社長のダン・ライアン氏

 SOX法の対応に迫られた米国では、やはりコンプライアンス関連でECM採用が拡大したという。ECM製品を提供する米Stellentのマーケティング&事業開発担当上級副社長のダン・ライアン氏は、「最も成長率が高い分野はコンプライアンス分野だ」と言う。同社はコンテンツサーバの上でコンプライアンスマネジメント機能も提供しており、SOX法を機に、これらの組み合わせでの出荷が最も伸びているという。

 重要書類などの文書を管理するなら、紙のままよりも電子化してしまった方が圧倒的に効率もよい。規制の強化の波とe文書法による電子化の規制緩和の後押しを受けながら、日本企業でのコンテンツ管理の基盤整備が進みそうだ。

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