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» 2005年09月16日 17時22分 公開

Microsoft PDC 2005 Report:PDC05開幕、さらにベールを脱ぐWindows Vista、Office12――「フィードバック、フィードバック」

PDCの会場でMicrosoftは、Windows VistaやOfficeをはじめとする多くの新製品や新技術をデモンストレーションしている。そこでよく聞かれるフレーズが「ぜひユーザーからのフィードバックを」というもの。どのようなフィードバックを彼らは期待しているのか。

[吉田育代,ITmedia]

 Microsoft Professional Developers Conference 2005 (以下、PDC05)が、米国時間の9月13日から、カリフォルニア州ロサンゼルス コンベンションセンターで始まっている。この技術カンファレンスは、米国Microsoftがソフトウェア開発における新しいビジョンを示したいときに不定期に開催しているもの。ここ数年では、2000年には.NETをテーマにしたPDCを、2003年にWindows Vista (開発コード名 "Longhorn")をテーマにしたPDCを開いており、今年で11回目の開催となる。

 今年のテーマの中心は、Windows Vista、Office 12などのクライアントテクノロジー。Microsoftはこれらの製品の開発を進めるに当たって、confident、clear、connectedという3つのキーワードを掲げたという。confidentとは、セキュリティ、パフォーマンス、実装の容易さなどの向上を一言で言い表したもので、clearとはわかりやすさ、そして、connectedとは、XMLテクノロジーをベースに人や企業が協業できるようなインフラストラクチャを提供するという意味合いを持つ。

 1995年のWindows 95、Office 95の発売から10年。初日の基調講演に登場したMicrosoft Corporation会長兼チーフソフトウェアアーキテクト Bill Gates氏は、今やまさに次のステップへと進む段階だと語り、ソフトウェアこそがそれに大きく貢献できるときだと開発者を鼓舞した。続いて先の3つのキーワードを実現することによるメリットを語りながら、2006年後半に発売が予定されているWindows Vista、Office 12を中心に、Windows presentation Foundation、Windows Communication Foundationなどの開発ステータスも報告。ビジョンは人やソフトウェアがXMLや標準技術をベースとして必要な情報に結びつけることであり、1990年代には夢だったことがついに実現するときが来ていることを強調した。

 「来る2006年のビッグウェーブに乗り遅れないように備えてほしい。ソフトウェア産業は今が最もセンセーショナルで最良のときを迎えていることはまちがいない」というのがGates氏から開発者へのメッセージだった。

 Windows Vistaが備えている数々の機能、例えば画面を立体的に表示する3D機能、情報検索を容易にするグループサーチボックス機能、クリックすることなくファイルの中身を知ることができるプレビュー機能、トランスルーセントな表示でファイルのメタデータを表示する機能、ネットワークにつながったすべてのPCのドキュメントを一元的に把握可能なヴァーチャルフォルダ機能などがデモンストレーションによって紹介された。

 一方、Office 12は「どこにどんな機能があるか分かりにくい」というフィードバックから、「ユーザーによりよい結果を早く提供する」ことをスローガンに開発された。よりビジュアルにデザイン化されて分かりやすくなったツールバーや、カラー表示で視覚に訴えるスプレッドシート機能が付加されたExcel 12、カラー入り囲み記事の挿入などより豊かな表現力を身につけたWord 12などが紹介された。

 Office 12に関してはユーザーインタフェースといった外観の革新にとどまらない。2日目の基調講演では、XMLとの融合、Visual Studioとの密接な連携を通じて、コンテンツパプリッシング、ドキュメントライフサイクル管理、さまざまなポータルアプリケーションを実現するデモで展開。Gates氏もスピーチの中で「Officeをプラットフォームとして非常に真剣にとらえている」と語ったが、単にユーザーに生産性の高い機能を提供するだけでなく、気軽に使えるマクロ機能の利便性だけでなく、今まで以上に開発者がハイレベルなアプリケーションを作り込むことができるプラットフォームに成長させたいという意気込みが見てとれた。

 印象的だったのは、基調講演に登場するすべてのトップエグゼクティブが「皆さんのフィードバックを待っている。ぜひフィードバックしてほしい」と繰り返したことだ。Microsoftほどの企業がこれほどにフィードバックを求めれば、それこそ収集がつかないぐらいほどの量が得られるだろう。しかし、それらはきっとあらゆる機能に関して賛否両論のはずだ。

 それらを前にしてマイクロソフトがどのように意思決定をするのかに興味を持ち、サーバ&ツール ビジネス部門 プラットフォーム戦略担当ゼネラル マネージャー Charles Fitzgerald 氏に聞いてみた。

 「どのようなフィードバックにどう対応するか白黒はっきりした基準というものはないが、フィードバックを受けることは非常に重要だと考えている。開発者の支援がなければプラットフォームは機能しない。特に拡張性を持つモデルでクライアントとサーバの双方に関わるものは、フィードバックしだいでプランを変更することもある。Windows Vistaがそうだ。対話に次ぐ対話、フィードバックに次ぐフィードバックは、われわれにとって超重要だ」(Fitzgerald氏)

 機会を見つけてはカンファレンスの参加者をつかまえてインタビューしている。やはりというべきかアプリケーション開発者、アーキテクトなど圧倒的にITプロフェッショナルが多い。興味の対象は、SQL Server 2005、.NET Framework、Windows Vista、モバイルデバイスなどと多岐に渡るが、PDCを最新にして最深の情報が得られる場として非常に真面目に前向きに評価している。基調講演でもビジュアルなデモが成功するたびに「何もここで」と思うほどこまめに拍手が起こった。熱狂的にマイクロソフトを支持する開発者の層の厚さをあらためて感じた。

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