PostgreSQL強化のため、ユーザー企業が資金をプール(2/4 ページ)

» 2005年10月27日 13時45分 公開
[Jay-Lyman,japan.linux.com]

開発とデータセット強化

 Webbasedの主任開発者、Mark Cave-Ayland氏は、pgsql-hackersとpostgis-usersという2つのメーリングリストでのやり取りを通じてGiSTサポートの必要に目覚めた、と言う。

 「うちの地図システムでは、PostGISインデックス付きデータを大量にデータベースにロードします。で、そのロードが完全に終わるまで既存のデータをまったく変更できないわけですから、同時実行に難があるのは明らかでした」

 Webbasedはインターネット、データ、画像技術関連の製品を設計し、製造している。同時実行での改善があれば、開発者には開発時間の短縮、ユーザーにはパフォーマンスの向上がもたらされる、と同氏は言う。

 「共有されている表のなかには、1個所の更新に何十分という時間がかかるものもあります。そんなとき、その更新が終わるまで、他の開発者はシステムでの仕事がまったくできない。これでは困ります。ユーザーにとってのメリットというと、同じ時間枠の中で複数のデータセットをロードできることですね。それだけ、データへのアクセスが速くなります」

 アップグレード以前のGiSTインデックスは、表レベルのロックしかサポートしていなかった。そのため、大量の読み書きが行われる状況では、パフォーマンスに「とてもむらがあった」とラムジー氏は言う。

 「最大の恩恵を受けるのは、たぶんPostGISコミュニティーでしょう。他ユーザーに比べて複雑なデータを扱いますからね。弊社の地理空間データベースの1つを例にとると、レコード数はほんの1万5000個ですが、それが40Gバイトのスペースを占めています。このデータベースで複数の更新を同時に実行できれば、弊社のプロジェクトのデータ処理時間が目覚しく減少します。多数のユーザーを同時にサポートするオンラインサービスでも、大きなパフォーマンス向上が期待できるでしょう」

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