PostgreSQL強化のため、ユーザー企業が資金をプール(3/4 ページ)

» 2005年10月27日 13時45分 公開
[Jay-Lyman,japan.linux.com]

企業レベルへ、需要に先行

 新機能の導入で、企業におけるPostgreSQLの使用に拍車がかかるだろう、とラムジー氏は考えている。ユーザーにとって、使用できる機能が豊富になる。

 「今回のアップグレードで、PostgreSQLのオブジェクトリレーショナル部分が企業レベルに達し、他のデータタイプと足並みをそろえました。従来バージョンでも、読み取りパフォーマンスと複雑なデータのクエリプランニングは優秀でしたが、書き込み負荷の大きなアプリケーションに難点がありました。弊社が専門とする地理空間の分野では、ますます多くのデータベースアプリケーションで大量の読み書きが同時処理されるようになっています。例えば、リアルタイムの位置追跡が挙げられます。当然、大量の地理空間データが読み書きされます。われわれとしては需要に先行し、クライアントから要求があったときには、もうそのための機能が存在する――そういう状態にしておきたいわけです」

 今回のプロジェクトでは、GiST回復サポートも実装されている。新機能の開発者の1人、モスクワ大学シュテルンベルク天文研究所のOleg Bartunov氏は、「自分にとって理想的」なプロジェクトだったと語る。

 「オープンソース開発者として、わたしには、何か提案すればサポートしてもらえるような組織が必要でした。このため、わたしたちの興味がOpenGISの要求と一致したというのは、とても幸運でした。結果として、長く待たれていたプロジェクトを完成できたわけですし」

 新機能の開発に見られた開発者とスポンサーの協調関係は、さらなるPostgreSQL改良に期待をもたせる、ともBartunov氏は語っている。すでに幾つかの改良点が開発者の課題リストにあがっている。

 「HP Russiaとの間で、ロシアにおけるPostgreSQLサポートについてすでに話し合っていて、いま提案の作成に取りかかっています。われわれの目標は、全文検索の『強化された』組み込み機能を開発することです。GiSTでできたのですから、これもできないわけはないでしょう」

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