コンタクトセンター大手のConcerto SoftwareとAspect Communicationsの日本法人同士が合流して発足した新生アスペクトが、今後の事業展開を説明した。
コンタクトセンターソリューション大手同士の合併によって誕生した「アスペクト・ソフトウェア」が、10月26日に都内で発足説明会を開催し、“新生アスペクト”の事業説明と今後の製品ロードマップについて発表を行った。
米アスペクト・ソフトウェアは、1981年に設立されたDatavox Communicationsを源流とするConcerto Softwareと、1985年に発足したAspect Communicationsが本年9月23日に合併して誕生した。日本においてもコンチェルト ソフトウェア ジャパンコーポレーションと日本アスペクト・コミュニケーションズが合流し、日本アスペクト・ソフトウェアとして統合、プレジデント(日本支社長)には米アスペクトのバイス・プレジデントのプラモド・ラトワニ(Pramod Ratwani)氏が就任した。
ラトワニ氏は「アスペクト・ソフトウェアは、世界で最も大規模なコンタクトセンター専業企業に成長することができた。コンタクトセンターインダストリに対して、幅広い製品をご提供することができる。日本におけるマーケットのニーズに応えるため、サポートセンターをはじめ、さまざまな研究開発をこれからも展開していく」とあいさつした。
同社は製品ラインアップを「クラシック」「ユニファイド」「WFM、コールセンター分析ツール」の3つに大別している。
「クラシック」はポイントソリューション系の製品群でACD(自動呼分配装置)、プレディクティブダイアラー、IVR(音声自動応答装置)が含まれる。それぞれについて旧コンチェルト、旧アスペクトともに製品をラインアップしていたが、個々に特徴が異なることから継続して開発、サポートを行う。
「ユニファイド」は統合コールセンター製品で、旧コンチェルトのEnsemble Proと旧アスペクトのUniphi Suiteが該当するが、今後はEnsemble ProをベースにUniphi Suiteの機能を盛り込んだ新製品を開発する。新製品の名称、発売時期に関しては未定。
「WFM、コールセンター分析ツール」はコールセンターのパーフォマンス分析や履歴レポート、キャンペーン管理などの製品群。これらは現在、日本語版が存在しないことから、国内での提供は日本語版が開発される来年半ば以降を予定している。
今後の開発方針は、製品の信頼性やセキュリティを高めるとともに、ビジネスにつながる戦略的なKPIを考慮したものにするという。また、機能ごとにコンポーネント化を進め、各製品で共通に利用できるようにし、さらにSOAやSIPなどのオープンスタンダードを取り入れていく意向を示した。
日本における営業は、旧コンチェルト、旧アスペクトともに代理店による販売で現在、サポート体制が異なるが、来年以降は統合していくという。このほか、旧アスペクト製品のユーザー会であるJAUG(アスペクト社はオブザーバー参加)も、12月に旧コンチェルト製品ユーザーを含めた新しいユーザーグループを発足する。
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