ちょうどこの年、別のねじ卸売業社で修行を終えた息子が3代目後継者として会社に入ってきた。息子に事業を引き渡す今がこれまでの仕事のやり方を見直すチャンスでもある。息子にとっても経営者としての教育の機会になる。早速、息子を交え、役員会で仕事のやり方の見直しとIT化の方向性を考えることにした。
結果、「卸売業の仕事自体はシンプル、ほかの卸売業が活用しているパッケージソフトがあれば、ある程度パッケージソフトの持つ機能に仕事を合せてしまったらどうか。そうすれば会計システムや在庫管理との連動も容易にできるだろう」という結論に達した。
息子をプロジェクトリーダーとして、パッケージソフト導入の方向でシステム刷新とBPR(Business Process Re-engineering)を同時に行うことにした。そこで同社がパッケージソフトを選定するための基準にしたのは、次の6点だった。
この卸売業はITコーディネータの支援を受けて、リース期間延長半年後までにパッケージソフトを活用したシステムの刷新を完了、今でもBPRを継続している。
K社長のケースはリース切れ直前になってIT化の方向性に悩んでしまったが、西暦2000年問題のときに慌てて行ったシステム開発の経験とK社長の決断の速さによって、パッケージソフトに切り替え、リース期間切れによるシステム刷新に成功した。リース満了は業務の見直しのチャンスでもある。直前になって慌てないように準備しておくことが必要だ。
皆さんの会社の業務システムのハードウェア、ソフトウェアのリース満了はいつなのか、しっかり把握している?
木村玲美
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