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» 2005年11月15日 08時00分 公開

コンテンツサービス指向で“サーバ環境”の未来はインターネットサービスの新基準(2/2 ページ)

[渡辺裕一,ITmedia]
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 サーバ仕様比較の一方で、回線のトラフィック量も考慮しなければならない。バックボーン帯域は専用サーバプランで優遇される傾向にあり、おおむね10Mbps以上が確保されている。これも月額料金で違いがあり、帯域保証をしないベストエフォート型から、障害時にノードを自動迂回させるルーティングを用意するサービス付帯、というプランもある。そこまでの機能が必要かどうかは、提供するサービス内容の保証によって決める必要があるだろう。

共有サーバの選択肢とは

 コストを重視したい。そして、ある程度サーバ運用に対して知識を持った人材がいるならば、共有型のサーバプランもよいだろう。共有サーバであれば、数百円から数千円程度の価格帯で選ぶこともできる。そして共有サーバの中には、複数のコースが設けられているところが多い。

 例えば、スタジオマップの共有ホスティングサービスでは、メールアカウント数とディスク容量の違いのみによるコース体系を採用している。ライトコースでは、PHPの動作環境が用意されず、それ以外のコースはすべて共通のサービスだ。日本ベリサインの専用SSLもサポートされているため、ECサイト構築で有名なオープンソースのサーバソフト「osCommerce」を利用したい時にも信頼性を確保できるだろう。ここでの場合、ちなみにサーバ仕様はPentium 4の2.4〜2.8GHz、メモリは1Gバイトの搭載となっている。

 占有型と共有型サーバサービスとのコスト差は、おおむね前者が10倍程度コスト高だといえるだろう。この価格差は、ディスク容量とバックボーン帯域の利用可能な占有率だと考えればよい。サーバ仕様だけではなく、回線の帯域も重視する際には、共有型サーバは要件を満たせないかもしれない。もちろん帯域も保証する共有サービスもあるため、傾向の一つとしてとらえてほしい。

 また、安価な共有サーバでは1台のサーバに収容される契約者数が増えることが想像に難しくない。その収容数も公表していない場合があり、最初はトラフィックが少なくても、徐々に増えていきアクセスしてもタイムラグが生じてしまうこともある。過度な帯域確保は期待せず、ベストエフォートと考える必要性があるだろう。

 例えば、契約者数の目安としては月額1500円コースから用意されているアキラインターネットサービスの共有サービスでは、1台当たりでおおむね60〜100契約数とされている。ただし、高効率なバックボーンを持つホスティングサーバベンダーでは、それだけ回線維持コストを負担しているため、そう簡単に帯域占有を保証できるものではないはずだ。そのため、安価に提供されている共有サーバでは、少々収容数で無理をしてしまう傾向があることを考慮しておく必要もある。

スペース提供からシステム提供へ

 従来までのISPが提供するユーザー対象のホームページサービスでは、数万〜数十万ユーザーの規模であったが、前述したようにサービス指向になることでサーバリソース(プログラム起動からメモリ占有など)を占有する可能性が増えており、リッチなサーバ動作環境が必要となっている。

 ここで押さえておきたい重要な点は、サーバで幾つの共有ドメインがあるのか? ではなく、利用する上で支障がない“処理速度とトラフィックが確保できるか”だ。契約者数(共有数)は、高負荷となるドメインが“存在する可能性”の目安にしかならない。

 ここまでで、現在のホスティングサーバサービスの特色となっている主要なサービス形態を紹介した。

 公開したWebサイト運用でより多くのPV(ページビュー)を求めているのであれば、筆者は迷わず専用サーバを勧める。追加できるオプションや選択の自由度が共有サーバとは比較にならず、帯域を理由にして不安を抱えることが軽減されるからだ。仮に、導入当初のサイト構築がオーバー仕様であったとしても、それはサイトが知名度を上げた際に解決するだろう。

 加えるならば、Webサイト構築を代行する企業が現在では多数あることも選択肢の一つだ。社内でサイト構築を行える人員が確保できるまでは、サイト構築を外注してもよいだろう。事実、多くの企業サイトはアウトソーシングで運用維持されているはずだ。

 PVによっては宣伝広告やユーザーニーズの把握、マーケティング効果を測るという側面もある。それが占有型の概算例として、年間100万円程度のコストで維持できるとしたら、トータルで考えた場合安価ではないだろうか。

 一方、新たなサービスインでありPVを比較的重視しないWebサイトや、中小規模利用だと分かっているのであれば、共有サーバでも十分にまかなえる可能性が高い。問題は前述したように処理能力と帯域をどの程度確保ができるかどうかだ。しかし、これは仕様が開示されていない限りは、pingやtracerouteなどでサーバとなる先のIPアドレスを指定し、推測するしかない。しかし、これらを調べるためのプロトコルICMPは、ルータに拒否されている場合もあるため確実に調べられる方法とはいえないのが現状だ(ホスティングサーバには、契約前のスピードチェックを用意している会社もある)。

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