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» 2005年12月14日 16時59分 公開

インターネットサービスの新基準:トレンドが求めたホスティングサーバの条件 (1/2)

GoogleをはじめとしてトレンドになっているWebアプリ。安定して稼働するためには、基盤となるサーバ選定が重要だ。サーバのリソースに無理はないか? Webアプリが要求する条件を満たしているかを判断する必要がある。

[大澤文孝,ITmedia]

 最近では、Webアプリケーションを実行するためにホスティングサービスを契約するケースが増えている。この場合には、ホスティングサービスのハードウェア性能だけでなく、「ホスティングで何ができるのか?」というサービス主体の考え方をすることが重要だ。オンライン・ムック「インターネットサービスの新基準」の今回は、Webアプリケーションを実行するために必要となるホスティングサービスの選定ポイントを解説する。

 このオンライン・ムックの目的は、読者がホスティングサービスを選択する際、実際のインターネットサービス運用でどのような影響があるのかを把握できることだ。インターネットサービス基盤からサービス主体への解説となるこの記事は、これまでのインターネットサービス動向ホスティングサービスにおける共有型と占有型、そしてドメインの持つブランドとしての価値メール運用にかかわるサーバ種別に次ぐものだ。

実行環境とデータベース

 まず最初に押さえておきたいのは、Webアプリケーションが「Webサーバ上で実行されるプログラム(ソフトウェア)」ということだ。

 そのため、ホスティングサービスを選ぶ基準には、「どの開発言語で作成したプログラムを動かしたいのか?」という稼働環境から考える必要がある。従来のように単なるhtmlファイルの置き場所という考えではないのだ。Webアプリケーションには、一般的にPerl、PHP、Java、ASP.NETといった開発言語が使われている。

 PerlやPHPは多くのホスティングサービスがサポートしているが、JavaやASP.NETをサポートするサービスはまだ少数だ。つまり、JavaやASP.NETを必要とする場合、ここである程度はホスティングサービスが限定されてくる。また、Webアプリケーションの多くは、情報を保存するためにデータベースを必要とする。データベースのソフトウェアの種類が何であるか、そして、どの程度のデータ量を保存できるのかという点も重要だ(図1)。

 最近では、小規模なWebアプリケーションの場合には、「特殊な環境を想定しない」ことを開発時に重視する傾向もある。これには、「どのようなホスティングサービスを契約している顧客にでも納品ができるようにする」「現在契約中のホスティングサービスがパフォーマンス面などで問題が起きた場合、ほかのホスティングサービスに乗り換えやすくする」という2つの狙いがある。

 つまりWebアプリケーションは、「高度なもの」が求められる一方で「環境に依存しないもの」も求められているのだ。

図1■実行環境とデータベース。まずは実行環境とデータベースの有無からホスティングサービスを選ぶべきだ

シェルとroot権限

 ホスティングサービスを選ぶ場合、よくある質問が「シェルが使える必要があるか?」「root権限が必要か?」という問題だ。この問いに答えるためには、まず「何のためにシェルやroot権限が必要なのか」を考える必要がある。

 コマンドを利用するためのシェルは、サーバで利用できるソフトウェア環境を極限までカスタマイズするために必要だ。シェルが利用できると、Webアプリケーションの実行に必要なライブラリをソースからインストールすることも可能になる。もし、ソースからインストールする必要がないのであれば、シェル利用の必要はないだろう。

 またroot権限は、サーバの設定を変更したい場合に必要だ。例えば一部のライブラリでは、root権限がなければインストールができないこともある。このようなケースで必須なのだ。つまり開発したWebアプリケーションが、単純にサーバへコピーするだけで動作するのであれば(稼働プラットフォームの実行ファイル形式になっている)、シェルやroot権限は必要ない。

 ちなみにシェルやroot権限はサーバ構成の柔軟性を高める一方、第三者が侵入する可能性を作ることにも注意したい。root権限を許可する場合にも、例えば特定の固定IPアドレス環境からのみのシェルログインを許可するといったセキュリティポリシーもあるため(IPアドレス偽装もあるため完全とはいえない)、このような対策を行うのも好ましい。

VPSがすべての環境で万能というわけではない

 ホスティングサービスは、大きく「共用サーバ」と「専用サーバ」に分けられる。しかしこの中間形態として、近年、「VPS」(バーチャルプライベートサーバ)も人気となっている。

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