Snap-Insの狙いは、Office 2003アプリケーションをMicrosoft Dynamicsアプリケーションに連携できるようにすることにある。
同時に、このプログラムは、DynamicsアプリケーションをOfficeに連携しようという「モチベーション」をパートナーに与える、とワン氏は説明する。
今週公表されるForresterのConvergenceリポートの中でワン氏は、「寛大なライセンスにより、パートナー各社はShared Sourceプログラムの下で複合アプリケーションを開発・修正・再販することが可能になる」と述べている。
「パートナー各社が、Project、SharePoint、Outlookなどの分野に存在するデータからアプリケーションのマッシュアップ(組み合わせ)を作成すると予想される」(同氏)
Forresterでは、パッケージ型アプリケーションに向けて5つの主要な技術プラットフォームが進化しつつあるとみている。これらは、SAP NetWeaver、Oracle Fusion Middleware、Microsoft Visual Studio .NET、IBM WebSphereそしてSalesforce.comのAppExchangeである。
これらのプラットフォームは、互いに似通った連携機能および開発ツールを提供している。
プラットフォームへの進化を目指すDynamicsは、インフラとして.NETを利用し、開発ツールとしてVisual Studioを提供する可能性が高い。
Microsoftは、別の技術もWindows OSという形で隠し持っている。
その技術スタックの一部として含まれるのが、「Windows Workflow Foundation」である。これは、Windows上でワークフローに対応したアプリケーションの開発を可能にするプログラミングモデル、エンジン、ツールで構成される。
Dynamics開発プラットフォームの目標はシンプルだ――経済性である。
IT調査会社Hurwitz & Associatesのジュディス・ハーウィッツ社長は、「SAP、Oracle、Microsoftはいずれも、総勘定元帳の機能を提供するアプリケーションだけでなく、ほかの技術のエコシステムを支えるプラットフォームとなるようなパッケージ型アプリケーションを実現したいと考えている」と指摘する。
「今はエコシステムの時代だ。ベンダー各社が自社のプラットフォームに依存する補足機能を提供するISVをすべて確保したいというのが、このエコシステムの特徴だ」とハーウィッツ氏は語る。
ハーウィッツ氏によると、パッケージ型アプリケーションベンダーは、各社のこういった戦略に「少しおびえている」という。自分たちが仲間外れになるのではないかという不何を感じているからだ。
現時点での大きな問題は、MicrosoftのDynamicsプラットフォーム戦略にまだ欠落しているコンポーネントがあるのかということだ。
「欠落しているものはあるが、それはMicrosoftに限ったことではない。これはある意味で、彼らがエンタープライズの機能スタックのどこまで上っていきたいのかにもよる」(ハーウィッツ氏)
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