IBM、SOA対応強化の製品発表(2/2 ページ)

» 2006年04月05日 15時34分 公開
[Renee Boucher Ferguson,eWEEK]
eWEEK
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 しかし、おそらく最も重要な製品発表は、IBMの新しいWebSphere Services Registry and Repositoryだろう。このシステムは、企業が構築し、配備するサービス周りのメタデータと情報――サービスエンドポイントやサービスレベル品質、サービスレベル契約を含む――を管理するだけでなく、複数のレジストリとリポジトリの相互運用性を実現する。

 「IBMが埋めている最近の(SOAの)穴のほとんどは、レジストリとリポジトリによるものだ」とIT調査会社ZapThinkのアナリスト、ジェイソン・ブルームバーグ氏。「彼らはSOAガバナンスストーリーを組み立てている。製品のストーリーだけでなく、製品とサービスのストーリーだ。その中心にあるのがレジストリだ。これはIBMの重要な強み――ベストプラクティス、サービス、ソフト――の1つになる。これを同様に扱えるベンダーはほとんどない」

 IBMのWebサービスレジストリ・リポジトリで重要なのは、(利用可能なときに)ほかのレジストリと相互運用性があるという点だ。ビジネスアプリケーション最大手と2番手のSAPとOracleは、それぞれ独自のWebサービスリポジトリを開発している。Webサービスの鍵が、ほかのWebサービスとの統合であることから考えると、レジストリ――ソフト業界の至る所で、SAPやOracleなどがそれぞれ自社のサービスを登録することになる――間の相互運用性は重要だ。

 IBMのSOAアプローチの中で、特にWebサービスに関してもう1つ重要なのは、アプリケーションのコンポーネント化だ。IBMがアプリケーションを機能単位に分割する際に、それらのコンポーネントを再利用可能なサービスとして提供するということだ。この取り組みは2年前からIBMのソフト部門で進められていた。これは、IBMのSOAに関するストーリーを強固にするだろう。同社に対する主な苦情が「ソフトの統合が不十分」だったことを考えるとなおさらだ。

 「IBMは実際に、(SOA機能において)非常に包括的だ」とブルームバーグ氏。「問題は彼らが各種のピースを連係させられるかどうかだ。これはIBMではいつものことだ――たくさんの製品を買って、コンサルタントを呼んでそのすべての仕組みを説明させるのだ。しかし、彼らはこれらのピースを連係させるために、アプリケーションのコンポーネント化に懸命に取り組んできた」

 IBMの製品の幅広さから、同社はコンポーネント化にある種変形的なアプローチを取り、ポータル機能などの重要分野に集中して、さまざまな製品ファミリーに見られる機能を分割した。

 コンポーネント化は、IBMがサービスとしてのソフト――SOAとは同じコインの裏と表の関係にある――に関する独自のストーリーを構築する手助けにもなるだろう。

 IBMとミルズ氏にとって重要なのは、SOAに関して進化したメッセージを打ち出すことだとHurwitz and Associatesのジュディス・ハーウィッツ氏は語る。

 「彼らは、自分たちがSOAでやっていること、その基盤がいかに前進しているかを絵に描いている。彼らがSOAでやっていることを見れば――人と理念の両方を既存インフラとアプリケーションコンポーネントの再利用を作り出す方法として見ると――これは開発を再考する方法と言える」(同氏)

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