特集
» 2006年04月30日 23時54分 公開

まだまだ存在する地方自治体が抱える問題

今回取り上げた以外にも地方自治体が抱える問題はまだまだ数多く存在する。

[ITmedia]

 1カ月に渡ってお届けしてきたオンライン・ムック「激変! 地方自治体の現実」。残念ながら今回の特集で取り上げるには至らなかったが、地方自治体が抱える問題はまだまだ数多く存在する。

 例えば全国的な広がりを見せつつある外国人問題などがそれにあたる。法務省の統計によれば、2003年末で、総人口に占める外国人の数は1.5%。絶対数で見れば都市部に集中しているが、総人口に占める割合で見てみると、静岡、群馬、岐阜、三重といった県で高くなってきている。この結果、一定の地域における外国人の割合が異常に高くなる現象も起こっている。群馬県の大泉町では、人口の15%を外国人が占めるまでになっているのだ。

 これに伴い、社会保障や教育など、さまざまな問題が表面化してきている。例えば教育面を見ると、義務教育年齢であっても学校に通わない外国人児童・生徒が存在するのが大きな問題として挙げられる。さらに、日本は同一言語を前提とした教育制度が定着している。そのため教員育成課程などでも特別に日本語ができない児童・生徒を教える手法が学べないため、現場では日本語ができない児童・生徒が入学してはじめて、問題に直面するといったことも少なくないのである。

 もちろんこうした問題は地方自治体だけの問題ではなく、省庁でも問題意識は持っている。しかし、教育を担当するのは文部科学省、日本語教育全般となると、外務省、厚生労働省、法務省および国立大学施設などの連携が必要となるが、これらの各組織・団体に恒常的なネットワークが構築されていないため、結果として現場で教える先生の裁量が大きな比重を占めているのが現状だ。

 この問題に対し、例えば静岡県浜松市では、日本語ボランティア支援の育成や、研修会などを支援しているほか、NPOに委託する形で、「浜松市外国人児童学習サポート教室事業カナリーニョ教室」を展開している。小学校の校長や自治会長、教育委員会などの地元の関係者からなる協議会を作り、現在4教室を運営、96人の児童・生徒が利用している。ここでは日本語指導や、ポルトガル語による日本の教科の指導、不就学者への就学相談や学習指導などに当たっているが、さまざまな問題もありこうした場所を利用する人もまだまだ一部のようだ。

カナリーニョ教室の授業風景

 上述の問題などにおいては、ITがあまり関連していないということもあり、今回の特集では取り上げなかった。だからと言ってITが無力というわけではない。こうした自治体が抱えるさまざまな問題にITがどう寄与するか、オンライン・ムックとして近いうちにお届けしたいと思う。

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