新人技術者は「資格」にいかに臨むべきか顧客満足度ナンバーワンSEの条件〜新人編(2/2 ページ)

» 2006年05月31日 08時00分 公開
[ITmedia]
前のページへ 1|2       

 ある程度技術者としての経験年数を積んでくると、いまさらエントリーレベルの資格を数多く取得しても仕方がない。より実践的で、あきらかに業界の中で評価の高い資格にターゲットを定めるべきだ。将来コンサルタントして独立したいという要望をもっているなら、ITコーディネーターを目指すのもいい。この資格は一度取得すればそれでお終いというものではなく、実務経験を積み継続学習を行い毎年更新していく必要があるため、実務向きの資格として評価される。

 ORACLE MASTER Platinumも、データベースという特定分野のスペシャリストを目指すならターゲットに入れてもいいかもしれない。その試験は、実機にさまざまな環境を正確に構築するだけでなく、トラブルを発生させてそれをその場で解決するという、まさに実践的な内容となっている。これくらい難易度の高い資格であれば、現場での評価も高い。

 このほかには、システムアナリストやシステム監査などのIT内部統制に関連するもの、まだまだ技術者の少ないセキュリティ分野などが、今後有望な資格として挙げられる。どの資格を取得するかは、自分がどういう技術者になりたいかによって変わってくる。目的を資格取得そのものに置くのではなく、理想の技術者像を実現するための1つのステップととらえることが重要だ。

現実的なメリットからも資格を選ぶ

 現実的な面での資格取得のメリットももちろんある。いわゆる資格手当や資格取得時の報奨金がそれだ。手当が基本給に組み込まれるような会社では、ボーナスの査定額にも影響する。場合によっては、数十時間分の残業代に匹敵することになるだろう。したたかに、報酬を得るために資格取得を目指すのも1つの方法だ。ただし勉強をする際に気を付けたいのは、資格の勉強は一生懸命するのに現場仕事はいい加減というような悪評を得ないようにすること。本来の技術者としての実力は、試験勉強ではなく現場仕事の積み重ねで得られる部分が大きいことを忘れずに。

 手当ではないが、GE Moneyの住宅ローンでは資格取得者がローン金利の優遇を受けられる仕組みがある。これは、資格取得などのスキルアップに積極的な人は、将来の所得や返済能力が高まる可能性があるとの判断からだ。ちなみに現在優遇を受けられるのは、TOEICスコア800点以上、情報処理技術者試験(テクニカルエンジニア、ソフトウェア開発技術者など多数)がある。ローン金利の優遇は、報奨金などの一時金よりもはるかにメリットは高い。家を買いたいと思っている人は、資格取得で手当と金利優遇という2つのメリットを得られるかもしれない。

 新人技術者の方々は、中長期的な目標を定め、自分に適した資格取得で技術者としての「本質」を高めて欲しい。まずは、自分の技術者としての将来像を描くことから始めよう。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ