インタビュー
» 2006年08月31日 08時00分 公開

マイクロソフト社長の質問――世界で一番利用されている企業アプリケーションは? (2/2 ページ)

[聞き手:浅井英二,怒賀新也,ITmedia]
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SAP、Oracleとの微妙な関係

ITmedia 先日マイクロソフトとSAPが共同でセミナーを開催し、Officeをインタフェースにして、SAPのERPを操作する取り組みである「Duet」が紹介(関連記事)されました。ERPの中心ベンダーであるSAPとの協業をどの程度の力で取り組むでしょうか。

ヒューストン まず、Microsoft、SAP、Oracleは、米国およびドイツの巨大企業であり、それぞれが複数の製品を提供し、分野によっては競合し、別の場合は協業関係になります。特にMicrosoftとSAPの関係は深くなりつつあり、また、Windows上でOracle Databaseが多数稼働しているといった状況もあります。一方で、われわれはSQL Serverというデータベース製品を提供しているため、そこではオラクルと競合することになります。そのため、この3社の関係は複雑なことは確かです。ただし、最終的にマイクロソフトとしては、顧客に対してより良いサービスを提供したいと考えております。エンタープライズ市場でSAPを利用したいという顧客に利便性を提供できるなら、Duetに力を入れる考えです。

ITmedia Vistaについて、エンタープライズ市場で採用される上でのイメージなどはありますか。

ヒューストン XPをリリースしてから5年が経過しており、Vistaを利用する際のシステム環境が変わっています。例えば、かつてのOSの場合、OSを1つ古いバージョンにダウングレードして、企業全体のPC環境を整えるといったこともありました。しかし、この5年の間に、Active Directoryなどの機能が普及したことで、企業全体のOS環境を中央コンソールで管理できるようになっており、選択肢が広がっています。そうなると、PCを買い換える前にVistaをインストールしてしまうという選択肢も取れるようになります。

 規模によって、PCの買い替えサイクルがVistaの導入を左右しますが、最終的にはすべてのPCにVistaが導入されると考えています。

ITmedia もう1つの大きな市場として、マイクロソフトはデベロッパーの市場に注力しています。しかし、この市場は現在“時代遅れ”になっている印象もあります。新しい技術に前向きに取り組む技術者もあまり多くないようです。米国と比較するとまだまだ未成熟であることも否定できません。そんな中で、中国やインドといったオフショア環境が整いつつあります。マイクロソフトはそうした環境で仕事をしていく技術者を勇気付けられる数少ないベンダーです。この市場についてどのような考えをお持ちですか?

ヒューストン この分野にわたしは情熱を注いでいます。この市場には、自社やパートナー企業の中で働くITプロ、実際にソフトウェアを開発しているデベロッパーと呼ばれる2種類の人がいます。マイクロソフトがソフトウェア開発を民主化していく中で、この2つのタイプに求められている要素は違います。

 われわれは、デベロッパーのエコシステムの中で、この両者になるべく多くの情報を提供し、技術を広げていこうとしています。具体的には、デベロッパー向けのWebサイトとしてMSDNを、ITプロ向けとしてTechNetを公開しています。

 また、最近オープンしたのが「Microsoft On」です。これは、利益を生むための取り組みではなく、エバンジェリストを通じて情報を提供することによって、ITプロやデベロッパーが楽しく、気持ちよく仕事をできるような環境を提供したいと考えています。

ITmedia 「楽しく」するためにはどうすればよいですか?

ヒューストン 最初に指摘するべきことは、日本はデジタルワークスタイルという面では遅れていることです。そのため、ITプロがハードウェアやソフトウェア、セキュリティの設定、パスワードの管理などをやらされることも多い。それでは楽しいわけはありません。インフラの整備のような仕事ではなく、ITプロがより戦略的な仕事ができるように、企業が近代的なITプラットフォームを導入しようと努力すれば、状況はずっとよくなります。



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