特集
» 2006年09月08日 12時00分 公開

Focus on People:2人の「お婆さんハッカー」にインタビュー(後編) (3/3)

[Joe-Barr,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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彼女をNSAに向かわせた言葉

 ちょうどそのころ、Byte Magazineに載っていた1つの投稿が目に留まりました。メリーランド州フォートミードのある団体がコンピュータサイエンスの学生を探していたのです。わたしは夫と自分の履歴書を送りました。翌日、自宅から4マイル離れたところにある土木建築のコンサルティング会社から連絡がありました。コンピュータを確実に扱える土木エンジニアを求めているとのことでした。

 わたしはこのチャンスに乗り、先方はほかの候補者も検討していましたが半年後、わたしは雇用されました。ある日、夫にこう打ち明けました。「実はこの仕事がしたいのかどうか分からない。本当に何となく転がり込んできた仕事よ。でもわたしにはぴったりの仕事だわ」。わたしは土木工学関係のソフトウェアを扱うことで相当な額のコンサルティング収入を会社にもたらしていました。それこそが会社の狙いだと知っていたからです。反対に、わたしに対する報酬は十分ではありませんでした。夫は「やはり君はNSAで働くべきだ」と言いました。その理由を尋ねると、「理由は幾つもあるけど、とにかく全部挙げてみよう」と彼は言い、次のように答えてくれました。「1つ目は、最初はそれほどではないだろうが、NSAの給与はそのうちもっと高くなること。2つ目は、修士卒の扱いで給与が支払われること。3つ目は、大学で君と一緒に時間を過ごし、数学の試験で高得点を取っていた極めて優秀な、それでいて何かに熱中するあまり、靴ひもを結ぶのを忘れたり、左右の足で違う種類の靴を履いたりするような人々がいること。NSAにはそんな連中が大勢いるんだ。君はそこで働くべきだよ」。

 夫の言葉に心を動かされ、わたしはNSAで働くことにしました。

―― 夕食のときに伺ったのですが、NSAを退職した後、ロスアラモス国立研究所(Los Alamos National Lab)に勤めていたそうですね。

ベッキー ロスアラモスでは興味深い時間を過ごしました。また、交友関係の面でも素晴らしい経験が得られました。ロスアラモスで初期の遺伝的アルゴリズムに取り組みんでいた2人の研究者と知り合ったのです。彼らはUniversity of New Mexico(UNM)にいた素敵な友人を紹介してくれました。その友人を通じてスパフォード氏と知り合いになりました。というのも、彼はスパフォード氏とともにGeorgia Techの大学院にいたからです。

 さらにスパフォード氏はほかの人たちにもわたしを紹介してくれ、そうやってネットワークコミュニティーを構築していく南部のやり方を学びました。

―― ロスアラモスを去ってからは、独立してコンサルタントをしていたのですか?

ベッキー Infidelに加わったのは1998年です。それまでの1年間はほとんど独立した形で不定期の契約で仕事をしていました。わたしが加わってからずっと、わたしたちは別々に仕事をしています。わたしの方は2001年の下期からTrident Capitalとの関係を維持しています。

―― Infidelは顧客との関係を順調に続けていますか?

ベッキー 顧客を取り込もうと試みたのですが、協力は得られませんでした。

テリー わたしたちが悟ったことは、ベッキーは――実はわたしもそうなのですが――時間やプロジェクト、そのほかの基準で報酬を決められないってこと。というのも、単純にその経過を追うような面倒なことに時間をかけられないからよ。だから、Infidelは報酬ベースでしかクライアントを取らないわ。そういう形で利用してもらいたいの。

 わたしたちはどの程度の時間を割く必要があるかを判断し、顧客のためにコンサルタントとして働き、そうやって毎月のコンサルタント料が決まる。結果として当初の見積りと違ってきた場合は、コンサルタント料の額を調整するわよ。毎月小切手を切ってくれるだけで、わたしたちのクライアントってわけね。

―― 今年のBlack Hatに参加していたのを存じています。というのもベッキーさんは講演をしていましたからね。これまでのBlack Hatにも参加していましたか?

テリー 2回参加したわ。ベッキーが講演するときは、いつもついて行くのよ。数年前には、わたしたち2人ともがパネルディスカッションに参加して、セキュリティとMicrosoftのオペレーティングシステムについて話をしたわ。Microsoftオペレーティングシステムの危険性について、と言った方がいいかしら。パネルが終わって通路に出たら、CNN報道陣のカメラやMicrosoft擁護者がいて非難されたのよ。おかしかったわ。だって、わたしたちには Microsoftのセキュリティグループにも何人か友達がいるのよ。Microsoftは実現不可能な仕事を抱えているわ。

ベッキー 実際に取り組んでみて、彼らも腕を挙げたんじゃないかしら。

―― 貴重なお時間をありがとうございました。

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