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» 2006年10月04日 10時37分 公開

電子ブロックと同じ? 部品やサンプルも提供するSAPのエンタープライズSOA

SAP TechEdを今週後半に控えたSAPジャパンは、「エンタープライズSOA」構想実現のための取り組みについてブリーフィングを行い、単なるSOAと同構想の違いを強調した。

[浅井英二,ITmedia]

 SAP TechEd '06SAP BUSINESS SYMPOSIUM '06の開催を2日後に控えたSAPジャパンは10月3日、「エンタープライズSOA」実現のための取り組みについてプレスやアナリスト向けにブリーフィングを行った。

 「SAPが掲げるエンタープライズSOA構想は単にシステムをつなぐ技術にかかわることだけではない。企業が実行できる業務プロセスとしてエンタープライズサービスを定義し、その実装としてmySAP ERP 2005を提供している」と話すのはソリューション&マーケティング統括本部長を務める安田誠バイスプレジデント。

 安田氏によれば、つなぐ技術であるSOAは電子ブロックで言えば「基板」に過ぎない。差し込む部品を作るのは簡単ではない。

 例えば、コールセンターのオペレーターが注文のキャンセルを受け付けたとしよう。オペレーターはキャンセルボタンをクリックするだけだが、その背後では実にさまざまなプロセスがそれをトリガーとして実行される。単に注文データを削除するだけではなく、出荷指示を止め、請求書発行も止め、在庫引き落としを元に戻し、生産計画にも反映しなければならない。

 これら一連の脈絡あるプロセスを「受注取消」というエンタープライズサービスとして定義し、部品の中身を一から作り上げなくとも、整合が取れた形で処理されることをSAPがコミットしている点で、単なるSOAとは大きく異なる。

 「SAPのアプローチは、部品を用意し、サンプルまで提供しようというものだ」と安田氏。

 9月中旬のTech Ed '06 Las VegasでSAPは、約500に上るエンタープライズサービスの定義がリポジトリからアクセスでき、その実装であるmySAP ERP 2005を2010年まで継続して提供することも明らかにしている。エンタープライズSOA実現のための安定したプラットフォームとすることが狙いで、新しい機能やエンタープライズサービスは、拡張パッケージとして提供され、顧客企業は選択的に適用できるという。

 「“SAPは2010年までバージョンアップできない”とOracleは喧伝するが、それは偽りだ。彼らこそ2008年にFusion Application Suiteを提供できるかどうか疑わしい」と安田氏。

ビジネスプロセス専門家のコミュニティーも

 エンタープライズSOA実現のためのプラットフォームとしてmySAP ERP 2005を提供するほか、SAPでは、ビジネスとITの橋渡しを担うビジネスプロセスの専門家らを対象としたオープンなコミュニティー、「Business Process Expert Community」も開設している。5月のSAPPHIRE '06 Orlandoで発表され、わずか4カ月足らずで3万人を超える参加者を集めている。ちなみに日本人の登録者も400人を超えているという。

 また、エコシステム構築の一環としては、ISVやパートナーらを対象にした「SAP NetWeaver Composition Environment」の限定提供もTech Ed '06 Las Vegasで発表された。SAP NetWeaver Composition Environmentでは、コンポジットアプリケーションである「xApps」の構築や運用のための使いやすいビジュアルツールなどが提供される予定だという。

 この10月2日には、エンタープライズSOAのビジネス価値を体験できる評価システム「SAP Discovery System for enterprise SOA powered by HP」が発表されたばかりだ。SAP Discovery Systemは、HP ProLiantサーバにNetWeaver、mySAP ERP、およびサンプルとなるビジネスシナリオが設定済みの状態で提供されるもの。短期間、かつ低コストでエンタープライズサービスを利用したビジネスプロセスの構築や変更がどのようなものなのかを試すことができるという。

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