日立ソフトウェアエンジニアリング 代表執行役 執行役社長兼取締役 小野功氏――「1対N」型事業モデルを強化技術者不足に対応した収益構造の改善(3/3 ページ)

» 2007年02月21日 09時00分 公開
[松岡功,アイティセレクト編集部]
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多様な人材を育成したい

アイティセレクト 新しい事業とは。

小野 先ほどお話しした「1対N型事業モデル」がキーワードです。中期経営目標でシステム開発以外のサービスとプロダクト&パッケージ事業で利益の50%を確保することを掲げていますが、1対N型の新しい事業をその原動力にして、さらに売上高を上乗せしていければと考えています。

 サービス事業では例えばSaaSに大きな期待をかけています。昨年9月の中期経営方針説明会でもお話しした通り、セールスフォース・ドットコム社のオンデマンドCRMアプリケーションを活用してサービスの再販から始め、最終的にはアウトソーシングへと発展させていくつもりです。またプロダクト&パッケージ事業でも、秘文をはじめ当社の有力な製品を組み合わせたり、新しいサービス提供形態を考えて、1対N型事業モデルを一段と広げていきたいと思っています。

アイティセレクト これから日立ソフトをどんな会社にしていきたいですか。

小野 当社は歴史的な背景からも同じ思考を持った人間が集まっており、それが企業文化を形成しています。ただ、多様性に欠けるところがあるので、改善すべきところは改善していきたい。具体的には社内事業公募などの制度を見直したり、女性や若手社員をもっと活用したりして、多様性を大事にする企業文化を育んでいかないといけないと考えています。それが勢いのある会社になっていく原動力に違いないですから。

 今回はIT業界のキーパーソンの一人である小野氏にお話をうかがうことができたので、あえて前半は日立ソフトにとどまらずIT業界全体が抱える課題を話題にさせていただいた。後半でご紹介した通り、日立ソフトを改革しようという小野氏の思いは相当強い。中期経営目標とは別に、年商3000億円規模にこだわるところに小野氏ならではの見識を感じさせられた。

プロフィール●おの・いさお

1944年5月生まれ。68年東京工業大学理工学部電気工学科卒業後、日立製作所に入社。2000年金融・流通システムグループ長&CEO、01年システムソリューショングループ長&CEO、02年6月専務取締役情報統括本部長兼情報・通信グループ長&CEO、04年4月代表執行役 執行役副社長を経て、06年6月より現職。

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