あっけないほどお手軽!? PLCの使い勝手と性能を検証する「エンタープライズPLC」のススメ(2/4 ページ)

» 2007年02月26日 08時00分 公開
[井上猛雄,ITmedia]

あっけないほど設定は簡単

 パナソニックのPLCアダプタには、「伝送路推定」という技術を駆使して実効速度を向上する工夫が盛り込まれている。これは、長期的な電力線の変動や、周期的なインピーダンスの変動に対応するテクノロジーだ。伝送路推定技術では、通信パラメータ(サブキャリアの情報を乗せるパターン)を、いま使っている状態よりも良いものかどうかサーチして、パラメータのしきい値で判断してベストの実効速度にするという。

 SETUPボタン(マスター側)を押すと、至近距離にある1台のターミナルアダプタがマスターに登録される。前述のように新たにターミナルアダプタを増設する際には、これを利用することになる。追加したいターミナルをマスター機と同じコンセントにつなげて、ボタンを押すだけで、アダプタ同士がリンクされる。リンクされたアダプタ間の通信は、AES(Advanced Encryption Standard)形式の128ビット鍵長で暗号化されるので、データのセキュリティも確保される(スタートパックでは最初から設定済み)。

画像 PLCアダプタの背面。電源コードの差し込み口とLANポート×1、マスター/ターミナルモード切り替えスイッチ、初期化設定ボタンが付いている

 背面には電源コードの差し込み口とLANポート1基のほか、マスター/ターミナルのモードを切り替えるためのスイッチ、初期化設定用の「CLEAR SETTING」ボタンが付いている。初期化するとマスターとアダプタ間の登録情報がすべて消去される。

 さてセッティングだが、PLCはLAN構築の手軽さをウリにしているだけあって、接続の準備はとても簡単である。あまりにも簡単すぎて、ちょっと拍子抜けしてしまうぐらいだ。

 まずは、2台のアダプタの電源プラグを使用したい場所の電源コンセントに差し込む。次にLANケーブルでアダプタとネットワーク機器を接続するだけよい。親機をルータに接続し、子機にはPCを直接、あるいはハブ経由でつなげる。これで設定は完了。一般の家庭で誰でもLANを構築できるようにするには、やはりこれぐらいの簡便さがあってしかるべきだろう。

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