過渡期から見えたコミュニティーの未来オルタナブログ通信(2/2 ページ)

» 2007年03月19日 12時16分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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 一方「ゆびとま」は、「ウェブ同窓会」という看板があるため、あくまでも同窓生、もしくは同じ学校の先輩・後輩などといったつながりがベース。もちろん、それ以外のつながりを持とうとすれば不可能ではないが、利用しているユーザー自身の意識に委ねられているのも事実だ。それほどネット上で能動的な層が厚いわけでもないという事情もある。

 「mixi」に関してはもう一つ気になるエントリがあった。大木豊成氏の「走れ!プロジェクトマネージャー!」に投稿された記事(全体に公開は内緒にしたい?)だ。

 ここでも指摘されているように、「mixi」はさまざまな仕様変更を行っている。ある意味、ユーザーからすれば使い勝手さえよくなれば喜ばしいことなのだが、中には微妙なものも少なくない。筆者も気付かなかったことに、「日記が全体に公開しているのか、友人だけに公開なのか、はたまた友人の友人までなのか、が他人からも分かるようになって」いるというのだ。別に気にしないといえばそれまでだが、どこまで公開しているのか、別に他人が知る必要性はないような気がしないだろうか。

過去最大の個人情報漏洩(ITコンシェルジュの Try ! & Error ?)

 川上暁生氏のITコンシェルジュの Try ! & Error ?過去最大の個人情報漏洩)と、今泉大輔氏のシリアルイノベーション個人情報は消費者が保管しておいて、その都度企業がアクセスして取得するようにすれば話は済むんじゃないの?)では、大日本印刷から43社863万件以上の個人情報が流出した事件について取り上げている。

 各企業がダイレクトメールを発送するためにデータを委託し、大量に印刷される。筆者自身、大日本印刷の製本にかかわるアルバイトをした経験があるので分かるが、特定の時間帯でさまざま印刷物を扱っている。雑誌や書籍が減少傾向にある現在、印刷会社にとって、ダイレクトメールに関する印刷は重要なものだろう。

 しかし、今回の時間に関しては悪意を持った者が関与し犯罪へと発展してしまった。今泉氏は、「内部の人が悪意の人になってしまった場合には、どんなセキュリティ方策もお手上げだよな思われた方も多いかと思います」と述べ、個人情報は個人個人が管理し、企業には個人が設定したアクセス許可ポリシーに応じてその都度アクセスさせる以外にはないんじゃないかという提言をしている。

 川上氏は、「完璧なルールは作れない」と指摘しながらも、「情報漏洩対策、内部統制・運用は、きちんと正面から向き合う姿勢が重要だと」とまとめている。

 今回の大日本印刷の情報流出に関しては、ある特定の悪意から生まれているが、セキュリティへの意識はより高めていかなければならないだろう。1週間ごとにセキュリティ動向と分析を加えている武田圭史氏の武田圭史のセキュアーで行こう!もチェックすることをオススメしたい。

携帯電話でどこまでパソコンの代わりができるか(けんじろう と コラボろう!)

 インターネットユーザーが増え、ブロガーも急激に増加した。しかしそれは、パソコンの普及というよりも、やはりネット接続可能なケータイの普及がその一端だろう。

 興味深い出来事としては、いな川宏樹氏の音楽の未来を考えるのエントリ(ケータイ小説ブームの意味するところ(音楽との関連))にも書かれているように、ケータイ小説のブームが挙げられる。ブログ発のドラマや映画などが増えてきて久しいが、最近増加しているのは、「ケータイ小説」から派生したもの。このケータイ小説ブームとは何なのか、いな川氏がじっくりと考察しているが、同感だ。ただし、筆者的にはケータイで長文を読むのは違和感があるが、世代によるギャップ? だろうか……。

 末岡洋子氏の欧州の視点に書かれている動き出したモバイル広告、工藤拓也氏の一人シリコンバレー男に書かれた誰でもワンセグ放送局になれる?も、ケータイの今後を垣間見る上で必読だ。

 そして同じケータイつながりといえば、吉田賢治郎氏のけんじろう と コラボろう!で興味深い記事が投稿されている(携帯電話でどこまでパソコンの代わりができるか?)。

 前述した情報漏えい防止対策のためか、「ノートPCの持ち出しを禁止しているところが急増しており、代わりに携帯電話を持たされる会社が増えている」とコメントされている。確かに、現在の多くのケータイではインターネット接続も可能であり、添付ファイル付きの長文メールもやり取りできるモデルもある。しかし、完全にパソコンの代替処理ができるのかどうか? 疑問は大きい。ここではその問いに対する、アイデアを募集している。何かしらの利用法をしているなど、アイデアがあればコメントしてみよう。

たぶん最も高価な花粉症マスク(CloseBox and OpenPod)

 さて、個人的なことではあるが、筆者は花粉症である。それもかなりひどい方であり、元もと鼻炎症であることも手伝って、いまは最悪の季節である。そしてオルタナティブ・ブログでも、花粉症の話題が幾つか取り上げられていた。

 夏目房之介氏の夏目房之介の「で?」では、同じく花粉症に悩まされていることが書かれている(そいえば花粉症も)。大野元久氏のIT's my businessでは、花粉症対策が遅々と進まないことについての怒りをぶつけている(花粉対策は進んでいるのか)。

 ひとえに、完治できないことへのいらだちである。

 そこに、興味深いエントリを見付けた。磯島大氏の磯島大の「マーケティング夢想」(^_^)に書かれた花粉症で鼻がつらいときに効くツボというエントリだ。鼻づまりによく効くツボについて、図解入りで説明してある。磯島氏は、この方法で鼻づまりを乗り切ったようなので、試してみる価値があるかもしれない。

 そしてギョッとしたのは、松尾公也氏のCloseBox and OpenPodに書かれたたぶん最も高価な花粉症マスク。私は、100円ショップで購入したマスクを付けて表に出ているが、「最も高価な」っていうことは、どこかの製薬会社とかのものだろうか、と思って読んでみると……何と、USB接続のマスク。

 これはすごいというか、間抜けというか。少なくとも外出向きでなかったのは残念。しかし、何でもUSB接続するのだなと感じ、USBが出始めた頃、すべての家電がUSBで接続されるという未来予想図がとあるパソコン雑誌に掲載されていたのを思い出させてくれた。

オンラインもリアルもあってほしい(C'est la vie)

 さて、幾つかのエントリをピックアップしてきたが、このほかに注目したものを2つ紹介して、第1回目となる連載を締めくくりたい。

 まず、本にまつわる話。加山恵美氏のC'est la vieに書かれたオンラインもリアルもあってほしいには頷くところがあった。確かに、本を買うのにAmazon.co.jpなど、オンライン書店を利用する比率が増えて、実際の書店へ足を運ぶ比率が減っている。しかし、本との出会いは、実はリアル書店へ足を運んだときに訪れることが多いのだ。ネット書店は確かに便利だが、やはりリアルな店舗にかなわないことも多い。これからネット化が進んでいっても、リアル書店には頑張ってほしいと改めて思った。

 そしてもう一つ。竹田昌弘氏の蒲田だよりに書かれた大きくなる活字、小さくなる活字。確かに最近、新聞や書籍などの文字が大きくなっている。文庫本など、最近出たものと昔出たものを比べれば一目瞭然。筆者など、ぎっしり文字が詰まっているのを好む人間にとって、由々しき事態が発生しているのだ。しかし逆に、テレビのテロップが小さくなっていることを竹田氏は指摘。その通りだ。

 筆者は、ドラマなどのテロップを起こしてデータ化することを行っていたりするが、これで最近困ることが多いのだ。予算がないため、酷使しているビデオデッキに、使いまわしのVHSテープで録画したものを使う。これで一時停止すると、文字がぶれることも多い上に、小さくてつぶれてしまう。流れるスピードも早いと目も当てられない。

 以上、3月4日から15日にかけてのオルタナティブ・ブログに投稿されたエントリから、筆者が気になったものをピックアップしてみた。ここに取り上げたほかにも、たくさんの興味深いエントリが投稿されている。ぜひ、本記事を通して気になったものなどを見つけたら、ほかの記事にも目を通してみてほしい。

 ITの今を知る、新たな発見があるだろう。

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