「オープンソースの特許侵害、235件」――MS幹部が主張(2/2 ページ)

» 2007年05月15日 10時40分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK
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 だが明らかなのは、MicrosoftがGPL3の最新の第3ドラフトを視野に入れていることで、同社はこのドラフトを「Microsoftが業界および顧客とともに築こうとしてきた、プロプライエタリ技術とオープンソース技術の架け橋を壊そうとしている」と非難していると広報担当者は言う。

 Microsoftは今、特許問題を以前よりも率直に語るようになっており、GPL3をめぐる業界の疑問と懸念に答えるために、特許侵害の件数と分野を具体的に公表しているとこの担当者は語った。

 「残念ながら、顧客にとって、FSFのGPL3への取り組みは既存の契約に害をなすものではないものの、望ましい相互運用性と、ここ数年プロプライエタリ技術とオープンソース技術の間で次第に見られるようになってきたオープンなやり取りを損なう可能性がある」

 GPL3の第3ドラフトには、ディストリビューターが特許保有者と共謀して、MicrosoftとNovellの契約に見られるような差別的な特許保護を提供することを禁じる新しい特許条項が盛り込まれている。

 顧客はプロプライエタリベンダーとオープンソースベンダーが相互運用性の問題に対処することを望んでいるとMicrosoftの広報担当者は語り、顧客の約90%が、Novellとの契約を相互運用性とベンダー間の協力のニーズに応えるものと支持しているとする調査結果を挙げた。

 「Microsoftはまた自社の知的財産を活用して、オープンソースとの相互運用性を促進し、実用的なオープンソース開発を奨励する取り組みも行ってきた。これには、Novellとの契約の一環として趣味でオープンソースに携わる開発者を訴えないと約束したことやOpen Specification Promiseが含まれる」とこの担当者は言う。

 オープンソースの特許問題は以前からあったもので、実際に最初にこの問題を取り上げたのはフリー・オープンソースソフトコミュニティーのさまざまな指導者だと担当者は指摘する。

 「Open Source Risk Managementグループは2004年8月の発表で、Linuxは283件の特許を侵害している可能性があり、顧客に不確定のライセンス費用がかかる恐れがあると述べていた」

 リチャード・ストールマン氏はさらに2006年11月にこれを認め、調査によりLinuxカーネルが283件のソフトウェア特許を侵害していることが明らかになったとし、これは米国のみの数字であると指摘した。「もちろん、この数は今はおそらく違っているだろう。もっと多いかもしれない」とMicrosoftの広報担当者は語った。

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