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» 2007年06月14日 07時00分 公開

このままでいいのか! ファイルサーバの乱立:次世代の最適解には環境マネジメントも!?

増え続けるファイルサーバの運用管理や情報の格納先の確保という課題の解決策は、「ファイルサーバ2.0」だけではない。

[富永康信(ロビンソン),アイティセレクト]

言語非依存のソーシャルアプローチが肝

 「ファイルサーバ2.0」ともいえる、リアルコムの「FileServer intelligent」(FSi)は、情報を格納する場所を特定しない(6月12日の記事参照)という特徴以外に、アクティビティログ/メタデータ収集サーバが必要なログデータをフィルタリングして変更差分を拾い出し、その大量のログデータをリアルタイムに分析・仕分けするということも可能にする。つまり、言語非依存のソーシャルアプローチがこのシステムの肝になるのである。これにより、どのファイルに、いつ、だれが、何度アクセスしたかを問い合わせても瞬時に把握できるという。

 リアルコムのプリンシパルで製品マーケティングマネージャーの砂金信一郎氏は、「個人情報ファイルへのアクセス、正社員以外のアクセス、閲覧数の急増、ACL(アクセス制御リスト)違反のアクセスなどによる情報漏えいやコンプライアンス違反などの対策にFSiは有効。現状のファイルサーバ管理があまりにもずさん過ぎたことが分かる」と語る。

 ちなみに、FSi本来の目的は、コンプライアンスよりも、自分にとって必要な情報を見つけやすくするレコメンデーションの効果を狙ったものだそうだ。

本当の答えは普及するILMか

 一方、ILMの観点からファイルサーバ管理を効率化しようという試みもある。

 ネットワールドの「ファイルサーバ向け簡易ILMシステム」は、EMCのILM管理システムとローエンド・ストレージシステム、シマンテックのバックアップソフトウェアで構成するサーバ管理システム。無計画なNASの増設や、バックアップやリストア作業時間の増大、データアセスメントの見込みリスクなどを回避する。

 具体的には、ファイルサーバ内のデータのうち、使用頻度の高いものはパフォーマンス重視のストレージ、低いものは重複データを圧縮した上でローコストの大容量ストレージへ振り分けるというように、データの鮮度に合わせて管理を自動化し、ファイルサーバの効率的運用を可能とする。

 これまでは、コンプライアンス対応のためにすべての情報をサーバに集めるという業務方針が打ち出され、取りあえずNASにため込むといった状況が続いていた。これからは、情報の価値に応じて、いかにファイルサーバを効率的かつ賢明に管理するかが問われる。

 「情報をどのように運用管理していくかという『データマネジメント』が今後、重要なキーワードになる。その答えがILM」と語るのは、ネットワールドのマーケティング1部でストレージグループのグループマネージャーを務める猪原伯光氏。2002年ごろから唱えられてきたILMの導入対象は大手企業のエンタープライズシステム環境が中心だったが、最近ではその関連会社や取引先などの中堅・中小企業にも波及し、一般的になりつつあるという。

 ファイルサーバ運用の要点について、猪原氏は「各拠点に分散・管理されているファイルサーバの集約と効率運用に始まり、データセンターによるストレージの集中管理、さらにデータセンターレベルでの仮想化によるサーバ台数削減など、今後はエコ運用にまでつながるもの」と話す。

 ファイルサーバの未来から、環境マネジメントまでが見えてくるのは興味深いところである(「月刊アイティセレクト」7月号のトレンドフォーカス「このままでいいのか! ファイルサーバーの乱立 次世代の最適解には環境マネジメントも!?」より。ウェブ用に再編集した)。

※ Information Lifecycle Management(情報ライフサイクル管理)の略。情報の価値に見合った管理レベルとコストにより、生成から廃棄に至るまで情報を最適な方法で活用しようとする概念。
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※ Network Attached Storageの略。高速なファイルサービスを提供するためのストレージを備えたファイルサーバ専用機(外部記憶装置)。
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