既存PCをシンクライアント化、かつ安価に──2Xアルファが参入

シンクライアント市場に新たなプレーヤーが登場。2Xアルファは、既存PCでも安価にシンクライアント化できる製品などを投入。中小企業や地方自治体の導入を後押しする。

» 2007年08月08日 19時48分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 2Xアルファ・ソリューションズは8月8日、シンクライアントソフトウェア「2X ソフトウェア」を販売すると発表した。同社は、英国や米国などで製品を展開するキプロスの2X Softwareと独占販売契約を交わし、国内販売と保守業務を行う企業として7月9日に設立されたばかり。

image 「欧米ではIBMやMicrosoft、Novellといった企業とパートナー契約を結び、製品を展開している。日本でもシンクライアント市場に参入する準備はできた」と述べる同社代表取締役社長の木原則尚氏

 2X ソフトウェアはアプリケーションをサーバで一元管理し、遠隔のユーザー端末から利用するサーバベースコンピューティング(SBC)型のソフトウェア。「2X アプリケーションサーバ」「2X シンクライアントサーバ」「2X ロードバランサー」の3製品からなる。各製品を単独で導入できるほか、仮想化ソフト「VMware」と組み合わせて、ユーザー別のPC環境を論理的にサーバ上に構築する「仮想PC方式」の運用も可能となるなど、ユーザーの環境に合わせた運用ができる。

image 2X ソフトウェアのシステム構成

 2X アプリケーションサーバはWindowsのアプリケーションをリモートデスクトップに公開し、クライアントから利用できるようにするソフトウェア。アプリケーションの公開はサーバ側でユーザー名、グループ名、IPアドレスなどを設定することで行える。クライアントのPC環境はWindows 98/2000/XP/Vistaに加え、LinuxとMacにも対応している。

 2X シンクライアントサーバはベンダーによらず、すべてのPCをシンクライアント化して、サーバ側から集中管理できるソフトウェア。専用のシンクライアントOS「2X OS」をPCに導入することで、シンクライアント化を実現する。従来のシンクライアントソリューションでは、シンクライアント専用端末を別途購入しなければならない場合が多く、コスト面で割高となるなど、導入が進まない背景があった。

 2X ロードバランサーはターミナルサーバにかかるクライアントのアクセス負荷を複数のターミナルサーバに分散するソフトウェア。ターミナルサーバの使用状況に応じて、リソースの空いているターミナルサーバを選び、負荷を分散する。「Microsoft Terminal Service Server」および「Citrix」のサーバにも対応する。

 同社取締役事業部長の古海博久氏は新製品について「シンクライアント製品は、中小企業にとってコスト面での負担が大きくなり、追加導入しにくいのが現状。新製品群は、シンクライアント製品として必要最低限の機能のみを搭載し、導入コストを抑えた」と説明。デスクトップでのアプリケーションの公開、使用者の制限、ロードバランサなど必要最低限の機能のみを搭載している。中小企業や地方自治体などのスモールスタートをサポートする。

image 2X ソフトウェアと他社製品のライセンス導入コストの比較。最大で10倍ものコスト削減の効果が見込まれるという

 ライセンス価格はサーバ単位で発生するため詳細は未定だが、「2X ソフトウェアを1000台導入し、36カ月間運用した場合、クライアントPC1台のライセンス料は月額600円ほど」(古海氏)。

 売上目標は2010年度までに40億円。

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