「良きに計らえ」を許すな!シスマネ必携! 運用管理ルールブック(2/2 ページ)

» 2007年08月09日 07時00分 公開
[岡田靖,ITmedia]
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ルール2:サービスレベル設定をはっきりと

 これもまた、アウトソーシング事業者だけでなく、企業内の情報システム部門にも当てはまる考え方だ。例えば、サービスレベルを綿密に定義しておくことで、障害予兆とするべきしきい値や対応策などの運用設計も行いやすくなる。

 また、極端な例として災害時などの対応を考えてみれば、サービスレベル設定が役に立つことが分かるだろう。停電、そして電源や空調設備の故障により、サーバ室のほぼすべてがダウンしたら、どこから手をつけるべきか。高いサービスレベルが要求されるシステムと、サービスレベルが低くて済むシステムがあるとすれば、復旧すべき優先順位が明確になり、迷わず作業に取りかかれるはずだ(もちろん、災害時の対応に関しては明確なプランを立てておくことが望ましいのは当然だが……)。

 もちろん、サービスレベルは要件定義段階から設定する必要があり、上流設計からシステムに反映させておくべきである。まさか、「可用性99.99%」などと言いつつ、毎月のようにセキュリティパッチ適用やデータベースのメンテナンスなどで停止しなくてはならないような設計は行わないだろうが、そこまで極端な例でなくても、細かな部分にも配慮が行き届くよう、サービスレベルに関する意識はユーザー側と運用側との間で調整する必要があるだろう。

ルール3:ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなど別途必要な保守契約はしっかり行うべき

 アウトソーシング事業者では、この種の保守契約はユーザー企業自身が行うべきものだ。一方、企業内で運用している場合には、各部門でなく情報システム部門が一括して行うのが普通だろう。いずれにせよ、保守契約は安定運用を支えるために不可欠なものだ。

 なお、こうした外部との保守契約に関しても、上記のサービスレベル設定が大いに関係してくる。高い可用性が求められているにもかかわらず平日日中のみのサポート契約を交わす、などといった食い違いがないように配慮しなくてはならない。

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