「モバゲー」の成功はまだまだ通過点?夏目房之介のその後の「起業人」(2/2 ページ)

» 2007年08月28日 07時00分 公開
[夏目房之介,ITmedia]
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 「早く成功して、エッセイストになりたいんです!」

「ITセレクト」誌2003年11月号より

 南場さんの率直で現場的な視角は、言ってみればエッセイストの資質である。事実、彼女の書いたものは、読物としてべらぼうに面白いのだ。

(中略)

 そのとき、この人が人を集め、動かすときの魅力がパッと垣間見えた。南場さんは、自分の「人間」を隠さない。その「人間」性には、はっきりとした目的があり、そのための強い意思と、一緒に居たくなる面白そうなエネルギーが渦巻いているのだ。人は「面白い」ことに弱いのである。

 面白ければ、リスクも負えるし、つらいことにも耐えられる。それを与える能力は、確かに起業家の資質の一つだろう。


 僕からすれば、エッセイストなんかになるより、起業家のほうがすごい気がするが、とにかく楽しくなるくらいの喜びようだった。でも、成功ってどのあたりまでのことをいうんだろう。もう、かなり成功しているようにも見えるけど、まだ彼女にとってエッセイストへの道は遠いんだろうか。

 たしかに、起業家として成功し、かつ文章が書けて面白くても、そのままエッセイストになれるかといえば、そうはいかない。やっぱり、何かプラスαみたいなものがあって、案外何かを捨てないとできないことなのかもしれないけれど、まぁエッセイストなんて何歳でなってもいいもんだし。

「ITセレクト」誌2003年11月号「起業家の履歴書」

なつめ ふさのすけ

1950年、東京生まれ。青山学院大学史学科卒。72年マンガ家デビュー。現在マンガ・コラムニストとしてマンガ、イラスト、エッセイ、講演、TV番組などで活躍中。夏目漱石の孫。


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