ニュース
» 2007年08月31日 07時30分 公開

法人向けスマートフォンの1つの答え? 富士通のF1100

富士通が発表したF1100は、多機能が“ウリ”のスマートフォンに中にあって、コミュニケーション機能を特徴付けた端末となりそうだ。

[國谷武史,ITmedia]

 富士通が8月30日に発表したNTTドコモ向けの「F1100」は、Windows Mobile Standard版を採用した同社初のスマートフォン端末となる。FOMA/無線LANのデュアル通信対応や生体認証機能を搭載するが、入力は10キーのみというシンプル方法を採用した。使いやすさを重視し、スマートフォンの企業導入のハードルを下げるのが狙いだ。

altalt 本体は、高さ112×幅51×厚さ16.9ミリメートル、重さ130グラムと一般的な携帯電話クラスのサイズ。背面に指紋認証を搭載し、Bluetoothにも対応する

 同社の伊藤公久経営執行役上席常務は、発表の場で「スマートフォンという新しい市場に挑戦するための戦略商品。企業ユーザーへ付加価値を提供したい」と述べた。

伊藤公久経営執行役上席常務

 F1100は、下り最大通信速度を3.6Mbpsに高速化させたHSDPAとIEEE802.11a/b/gの無線LANへの対応、Windows Mobile OSの汎用性、セキュリティ機能と、企業ユースに求められる基本的な機能を備える。さらには、これらの機能を踏まえてコミュニケーションを中心に利用シーンのイメージしやすい特徴を持つようだ。

 同端末は、通信環境が1台の端末で携帯電話と無線LANのネットワークに対応モデルとなるため、企業での導入の進むモバイルセントレックス端末として利用できる。NTTドコモでは、NEC製のデュアル端末「N900iL」「N902iL」などを利用した大規模事業所向けのモバイルセントレックスサービス「PASSAGE DUPLE」と中小事業向けの「ビジネスMopera IPセントレックス」を提供しているが、F1100も両サービスへの対応が発表された。

ドコモのモバイルセットレックス端末としてはN900iL、N902iLに続いて3代目に当たる。

 これにより、F1100を社内ではIP内線電話端末として、社外ではFOMAの携帯電話端末として使用できる。また、通話以外にPASSAGE DUPLEで提供されるインスタントメッセージング機能やプレゼンス機能、またMicrosoftのWindows Live Messengerにも対応しており、コミュニケーション端末としての基本機能が充実している。

 本体デザインは、国内のWindows Mobileスマートフォンに見られるQWERTYキーボードを採用せず、通常の携帯電話と同様の10キー入力だけとなった。QWERTYキーボードは、PCと似た感覚で文字入力が行えるメリットがあるものの、スマートフォンを初めて利用するユーザーにとっては入力操作に慣れるまで時間を要するということが指摘されている。

 「一般的な携帯電話の操作に慣れたユーザーが違和感なくスマートフォンを操作できることを目指した」と、NTTドコモの担当者は説明する。このほかに4つのボタンに機能の割り当てを自由に行えるショートカットキーも搭載された。

 また、Windows Mobileを採用するメリットとして、汎用OSならではのカスタマイズ性の高さがある。例えば「Today画面」と呼ばれる待ち受け画面は、OSの標準表示ではスケージュールやTo DoリストなどのPIMデータが文字で列記されるが、F1100ではアイコンによる視覚的な表示を行えたりと自由度の高いデザインを利用できる。

alt Windows Mobileながら一般的な携帯電話スタイルのユーザーインタフェースを利用できる

 アプリケーション開発においても、Visual Studio 2005など既存のWindows開発環境を利用できる。iアプリやBREWアプリのように携帯電話向けアプリケーション開発のための特別な知識を必要とせず、デスクトップ向けアプリケーションのモバイルへの組み込みも行いやすい。だがF1100の入力方法が10キーのみとなることから、ボリュームのあるデータ入力を求めるようなアプリケーションは、ユーザー側から懸念が予想される。

 一方でウィルコムの「W-ZERO3」シリーズやイー・モバイルの「EM・ONE」などに搭載されている「Office Mobile」を搭載せず、ドキュメントファイルの扱いは苦手なようだ。ドコモ担当者によればビューワ機能を搭載の検討するとしており、メールなどに添付されたドキュメントデータの閲覧利用はできる見込みだ。

 企業利用で必須のセキュリティ機能は、ID・パスワード認証と指紋認証、アンチウイルス、リモートからの端末ロックおよびデータ消去に対応する。生体認証対応のスマートフォンとしては、ソフトバンクモバイルが発売を計画する東芝製の「X01T」に次いで2機種目となった。

 発表当日は、セキュリティ機能に関する詳しいアナウンスが行われなかったものの、すでにセキュリティベンダーがスマートフォン向けに提供しているセキュリティ製品やデバイス管理製品が対応するものとみられる。なお、NTTドコモでもFOMA端末向けの端末管理サービス「あんしんマネージャー」を提供しているが、F1100については対応未定としている。

 F1100の標準機能では、複数の認証機能を連携させるパスワードマネジャー機能が搭載され、Webページや業務システムへアクセスする際のログインを指紋認証で行うといった利用が可能になるという。

 伊藤公久経営執行役上席常務はF1100について、「汎用なWindows環境に対応しているため、ユーザー企業は追加投資をそれほど必要とせずに、モバイルという新しいツールをビジネスの現場に導入できるだろう」と話している。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -