Xaraのオープンソース化の失敗から得られた教訓Magi's View(2/4 ページ)

» 2007年10月23日 15時10分 公開
[Nathan-Willis,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

期待と想定

 振り返って考えると、Xaraはオープンソースに対する先入観と期待をもってこの試みを開始した――そしてその先入観と期待は間違っていたのだ。

 Xaraの考えでは、Xaraはソースコードを寄与し、オープンソースコミュニティーは開発者時間を寄与するはずだった。そしてXaraは実際にコミュニティーのためにコードを公開したのだから、コミュニティーにはコードに取り組む義務があるはずだったのだ。しかし残念ながら、今ではXaraにとっても明らかになったように、開発者コミュニティーはそのようなルールで動いているわけではない。

 とはいえ、そのような誤解があったとしても、それは取り返しのつかない失敗だったというわけではない。どのような新しいビジネスモデルについてもはじめて取り組むときにはそのような恐れがあるのと同じように、オープンソースにはじめて取り組む際に多くのプロプライエタリソフトウェアベンダーが誤った想定をしている。

 ではXaraの試みを失敗に向かわせたのは何かといえば、開発者コミュニティーからの率直なフィードバックが繰り返し得られていたのにもかかわらず、そのような誤った想定を固持し続けたことだ。Xaraに対しては大勢の開発者たちが、コアであるCDrawがクローズドソースのままであるのならXara Xtremeに取り組む時間もエネルギーも寄与しないときっぱりと告げていた。しかしXaraは当初の立場をそのまま貫き要するにコミュニティー側が間違っている(すわなちXaraがリリースしたコードは「十分」であり、開発者たちは不平を言うのをやめてコードへの取り組みを開始するべきだ)と開発者コミュニティーに対して述べてきた。

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