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» 2007年10月24日 23時48分 公開

“3本矢”戦略で企業変革を実現したい――KDDIの法人ビジネス

KDDIは、固定とモバイルのインフラをシームレスに利用する法人向けビジネスを加速させる。ネットワーク分野以外の事業拡大も進めている。

[國谷武史,ITmedia]

 KDDIの田中孝司常務兼ソリューション事業統括本部長は10月24日、同日から東京ビッグサイトで開催中の「IPコミュニケーション&モバイル2007」の特別講演に登壇。同社の法人事業の最新動向について説明を行った。

 KDDIは、固定とモバイルのインフラをシームレスに利用する法人向けサービスに注力する。田中氏は冒頭、これまでの法人事業を振り返り、「ICTを利用する企業の経営変革がこれまで多方面から提唱されてきたが、実際には浸透してこなかった。だが、最近では経営計画を見直す企業の中でシームレスなネットワーク環境やサービスに注目が集まっており、当社も対応強化を進めてきた」と述べた。

田中孝司常務兼ソリューション事業統括本部長

 昨年1年間の法人事業の展開では、基幹網やアクセス網の冗長校正の強化によるサービス品質の向上、企業のネットワーク運用を支援する「オペレーションマネジャー」制度の導入、FMC(Fixed Mobile Convergence)内線システムの強化、auの法人向けサービスメニューの拡充など行ってきた。また、法人向けau端末のライアンアップ強化、通信モジュール内蔵デバイスの開発にも注力している。

 田中氏は、今後の法人市場においては次の3点で既存のビジネスモデルが崩壊し、新たなビジネスモデルの確立が求められるようになると話した。この3点とは、固定とモバイルの垣根の崩壊、製品やサービスの購買スタイルの崩壊、業界の垣根の崩壊――だという。

 「従来、モバイルは固定通信のオプションと見られてきたが、テレワークの拡大やシンクライアントの普及を例に、ネットワーク環境の違いを意識せずに利用できる環境が求められている。また、SaaSの利用拡大に伴う製品やサービスの購入スタイルの変化、そして1つのIDでさまざまな業界のサービスを利用できるプラットフォームの実現も求められている」

 こうした法人ニーズの変化へ対応するため、KDDIはオフィス内線システムを展開するベンダーとの連携強化や、データセンターのホスティングサービスの強化、家庭内LAN構築事業でのユニアデックスとの提携、マイクロソフトとのSaaS事業の提携など、ネットワーク分野以外での事業強化も進めてきた。

 特に6月に発表したマイクロソフトとの提携では、PCや携帯電話といったデバイスの違いや利用場所の違いを意識せずに業務アプリケーション利用きるSaaSの実現を目指している。本格的なサービスの開始は2008年春を予定しているが、近日中にもサービスの具体的な内容について、マイクロソフト以外のベンダーも交えて発表する予定だ。

 今後の法人戦略について、KDDIは「FMCワンストップ」「ICTワンストップ」「ICTアライアンス」の3つを推進する。FMCワンストップでは、提携ベンダー各社のサービスをKDDIがワンストップ化してユーザー企業に提供し、迅速なFMC環境の導入を支援していく。また、ICTワンストップではデータセンターの構築・運用管理から業務アプリケーションの導入・運用、情報セキュリティ対策までを同社がワンストップで提供する。「オフィスの移転からSaaSの運用までのすべてをKDDIに任せていただけようにしたい」(田中氏)

 ICTアライアンスでは、ユーザー企業のニーズに合わせて、提携ベンダーとともに柔軟に対応できる体制を構築する。「必ずしもKDDIが前面に立つのではなく、ニーズによっては裏方に徹することで、ICTを利用した企業の変革を実行できる包括的な枠組みを作っていく。特に1つのIDでさまざまなサービスを利用できる統合IDプラットフォームの実現にはこのような体制が不可欠だ」と田中氏は述べた。

 最後に田中氏は、「今後は企業変革のプロセスを実行支援できる体制に移行する。FMCワンストップとICTワンストップ、ICTアライアンスの“三本の矢”戦略で、企業ニーズに対応していきたい」と話した。

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