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» 2007年12月14日 06時45分 公開

スマートフォンBlackBerryの企業導入が拡大

欧米のホワイトカラー層が利用するスマートフォン「BlackBerry」が国内市場にも広がっている。端末を500台規模で導入したケースもあるという。

[國谷武史,ITmedia]

 欧米のホワイトカラー層を中心に利用者が広がるカナダResearch In Motion(RIM)のスマートフォンシステム「BlackBerry」が国内市場で広がっている。外出先でメールやスケジュール確認ができるのが人気の理由だ。

 BlackBerryは、RIMが1999年から提供を開始し、2007年8月末現在で1050万ユーザーを保有する。主に欧米のホワイトカラー層で利用され、国内ではNTTドコモが2006年に英語版、2007年7月から日本語版を発売した。NTTドコモによれば、企業のPC持ち出しが禁止され、海外のビジネスマンが使うスマートフォンに注目しているという。

国内で唯一販売されているBlacKBerry端末の8707h

 リサーチ・イン・モーション・ジャパンでテクニカル・パートナーシップ・マネジャーを務める石上浩氏は、「当初は外資系企業の幹部社員だけが持つだけだったが、7月以降は現場業務の多い社員にも利用させるケースが増えてきた」と話す。

 BlackBerryは、RIMが端末と企業内に設置される専用サーバ「BlackBerry Enterprise Solution(BES)」を、パッケージシステムとして提供する点が特徴だ。BESはメールサーバーやグループウェアシステムと接続され、企業アカウントのメールを携帯電話会社のショートメッセージサービスと同様に、端末へ自動配信する。ユーザーは外出先でメールやグループウェアを利用できる。端末とサーバ間で暗号化通信化や、端末紛失時のローカルデータの保護、操作ロックなどのセキュリティ対策も施されている。

 スマートフォンを企業が利用する場合、外出機会の多い社員の生産性向上とセキュリティの確保をいかに両立させるかが課題。BlackBerryは単一のシステムとして、企業が導入しやすい仕組みであるのが支持されているようだ。

 システムインテグレーターの構造計画研究所は、2006年9月からBlackBerryの導入を支援している。導入企業は、金融や証券業界が多く、個人情報など機密性の高い情報を現場レベルで日常的に利用する企業で評価されているという。最近では1社で500台以上の端末を導入するケースも相次いで登場した。

ユーザーのすそ野を広げる

 国内で販売されている端末は、メール処理などに適したQWERTYキーボードを搭載する「8707h」の1種類だけ。石上氏は、「海外では無線LANやGPSに対応する機種など端末の種類が多く、メール用途以外の利用も多い」という。

 BlackBerryやMicrosoftのWindows Mobile、Symbianなどのスマートフォンは、通話が中心の携帯電話とは異なり、PCやサーバと連携できるアプリケーションが多い。メールや通話などのコミュニケーション機能に加え、SFA(営業支援システム)や顧客管理、商品管理、生活インフラの保守業務で使われる多くのアプリケーションに対応する。Webブラウザを介したアプリケーションやJavaベースのアプリケーションを利用でき、「開発環境も公開されているため企業導入の敷居は低い」と石神氏は指摘する。

 一方、NTTドコモは12月からBlackBerry専用の接続料金を40%値下げした。同社が販売するほかのスマートフォンは、通話料金とデータ通信料料金のセットが基本だが、BlackBerryのみ専用プランを追加しなければならない。

 Windows MobileやSymbianベースのスマートフォンは端末単体でも購入できるため、企業導入のメリットはBlackBerryよりもシステム構築の自由度が高い点だ。だが、自社でセキュリティ対策をすれば「運用コストも含め、専用の通信料金が必要なBrackBerryとトータルコストは変わらない。ワンストップで導入したいという企業ニーズに応えられる」(ドコモ関係者)という。

 石上氏は、現場業務と社内の基幹システムとの連携拡大がスマートフォン普及のカギを握るとし、「2008年以降は日本で展開する端末の種類とソリューションメニューの拡充を検討している」と話している。

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