日本アバイアの藤井代表取締役社長が2007年を総括し、2008年の展望を語った。今年の事業の柱であった「ユニファイドコミュニケーション」についても言及した。
日本アバイアは12月14日、記者向けの説明会を開いて、藤井克美社長が2007年を総括し、来年の展望を語った。
昨年末に開いた事業戦略説明会で、藤井氏は従来から国内で高いシェアを持つ「コンタクトセンター」とともに、「ユニファイドコミュニケーション(UC)」を2007年の事業の中核としていく方針を明らかにした。主力のIP電話製品に、メッセージングやプレゼンス、Web会議機能などを持つアプリケーションを組み込んだUCシステムのニーズが高まるとしていた。
約1年後、UC製品のマーケットはどのように変化したのか。
「UCは、日本ではほとんど普及していない」と藤井氏は現状を指摘した。欧米と異なり、日本では直接対面してコミュニケーションをとるという文化が根強いため、UCの浸透には時間が掛かるという。また、NEC、富士通、日立製作所、沖電気工業というPBXの大手4社がUCをうまく実現できていないのも原因だという。「UCというコンセプトだけで売るのは正直難しい」(藤井氏)とした。
しかし、10月にマイクロソフトがリリースした統合コミュニケーション製品「Office Communications Server 2007」などによって、UC製品のマーケットは活性化する可能性がある。
今後の戦略として、まずはモバイル分野に活路を見いだす。国内の通信事業者などからはモビリティ製品の評価が高いという。2008年初めには、電話や会議の管理、ボイスメッセージ、通話履歴の確認などの機能をWebベースで提供するソフトフォン「Avaya one-X Portal」を投入するほか、固定電話と携帯電話を融合させる企業向けFMC(Fixed Mobile Convergence)アプリケーション「Avaya one-X Mobile」の機能や対応端末を拡充する。
また、レノボのPCに実装するIP電話機能も好評だという。「大型スクリーンでビデオ会議をするという日本企業は少ない。PC上で音声通話やWeb会議などを実行するUC製品が先決だ」と来年以降の考えを示した。
2008年は、コンタクトセンターへのサービスを強化するほか、ボイスポータル製品にも注力していく。
2007年については、「組織に大きな変化があった」(藤井氏)と話す。投資会社である米Silver Lakeおよび米TPG Capitalの2社の買収により、日本アバイアの本体である米Avayaは非上場企業になった。CEOやCOOなどの経営陣は代わることなく、引き続きIPテレフォニー事業を核としたビジネスを展開していく。
「今後は製品のスリム化を図り、品質の向上や企業の俊敏性を高める」(藤井氏)
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