SaaSの2007年国内市場は前年比18.6%増――IDC調べ

IDC Japanは3月5日、国内SaaS市場の2007年の実績と2008年〜2012年の市場予測を発表した。

» 2008年03月05日 20時31分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは3月5日、国内SaaS市場の2007年の実績と2008年〜2012年の市場予測を発表した。2007年の国内SaaS市場は新規大型導入案件にけん引され、前年比18.6%増の320億円となった。2008年以降も同市場は高い成長を維持し、2007年〜2012年の年平均成長率は18.2%、2012年の市場規模は738億円になる見込みとしている。

国内SaaS市場の投資額予測、2007年〜2012年(出典はIDC Japan)

 同社によると、国内SaaS市場が拡大するにつれ、技術的な障壁は低下した。

 「インターネットの発達により電子商取引、オンラインサービスが普及し、ユーザー企業のSaaS利用に対する心理的な抵抗感もなくなってきている。セキュリティ、機能の拡充、性能保証など解決すべき課題はあるものの、SaaSは準備段階から実用段階へ移行した」(同社)

 同社はさらに、国内SaaS市場では技術の発展、ビジネスモデルの変革など多様かつ著しい変化が起きており、特に、顧客視点/ビジネスプロセスを重視したサービス開発の浸透は大きな変化となっていると指摘している。また、パッケージソフトウェア/ソリューションベンダーや通信事業者のSaaS市場への本格参入、ユーザビリティ向上への施策、コミュニティーの設立など、同市場が急速に拡大する環境が整いつつあるという。

 IDC Japan ITサービス リサーチマネジャーの松本聡氏は発表文で「SaaS市場に参入する企業は後を絶たず、ベンダー間の競合状況が急速に激しさを増している。一方、国内SaaS市場規模は、既存のパッケージアプリケーション/アウトソーシング市場と比較するとまだ小さい」と述べた。

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