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» 2008年03月14日 08時00分 公開

災害対策「はじめの一歩」:ディザスタリカバリ――みんなで守れば怖くない! (2/2)

[敦賀松太郎,ITmedia]
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データはサーバで管理する

 もう1つ、エンドユーザーでも取り組める災害対策になるのが、データの保管場所を変更することである。多くの企業は、複数のメンバーで情報を共有したり、仕事を共同で行ったりするために、ファイルサーバを用意しているものだ。おそらく、ファイルサーバには個人がデータを保存するための領域も割り当てられていると思う。コンテンツマネジメントシステムを導入し、データをきちんと管理している先進的な企業ならば別だが、クライアントPCの災害対策が手つかずならば、業務に必要なデータはすべてサーバにバックアップコピーを作成するか、デフォルトの保存先をサーバにしてデータを管理するようにしたい。ファイルサーバならば、どの企業でもストレージや電源を冗長化するなど、トラブルへの備えをしているものだ。個人が管理すべきデータも、災害対策が万全のサーバに任せておけば安心だ。

 ただし、クライアントPCのデータをUSBメモリやCD/DVD、テープなどのリムーバブルメディアに保存することは避けるようにしたい。その理由は、情報漏えい対策だ。データが失われないように備えることも大切だが、リムーバブルメディアから情報漏えいする危険性のほうが確率は高い。もし、バックアップコピーをリムーバブルメディアに保存しなければならないのであれば、データ暗号化のソリューションを導入するなどの別の対策も必要になる。

管理者が検討したい災害対策

 エンドユーザーが自分自身でクライアントPCのデータを守るのは、ここまでに紹介した程度のことしかできない。しかも、UPSの導入、あるいはサーバ側でのデータ管理であっても、システム管理者がアクションを起こさなければ、実現が難しいことだ。つまり、いくら身近なディザスタリカバリであっても、システム管理者が先頭に立つ必要があるわけだ。

 さらに十分なクライアントPCの災害対策を考えるのなら、クライアントPCもサーバ同様の冗長化が必要になる。ハードディスクのデータが消失しないようにRAID構成にしてミラーリングしたり、電源を冗長化したりといった対策だ。

 しかし、こうした対策をクライアントPCに適用するには、何ぶん膨大なコストがかかる。大がかりな投資を行わなければならないのであれば、多少のデータ消失もやむを得ないと考える企業もあるだろう。それも、もっともな話である。

 クライアントPCのデータ保護をより確実にしたい企業の選択肢の1つとして、シンクライアントを導入するという方法がある。シンクライアントならば、アプリケーションもデータもサーバ側で一元的に管理できるから、データの安全性は非常に高まる。もし、大地震でオフィスが壊滅的な被害を受け、クライアントが物理的に破損したとしても、シンクライアントならばデータの消失を免れる。

 もちろん、シンクライアントの導入にもコストはかかるし、ネットワークに接続されていないオフラインの状態でも利用できるPCよりも利便性は劣ることになる。管理者は、こうした点も考慮し、自社にとって何が最適な災害対策になるのかをきちんと検討してほしい。

 次回は、バックアップサイトの設置に投資できないという企業に適した、サーバルームのディザスタリカバリについて考えてみたい。

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